
1960年代後半から活動を始めたギルバートとジョージは、自らの姿や言葉を作品の中心に据える「リビング・スカルプチャー(生きる彫刻)」を取り入れたアートで知られ、1970年代以降は、大判のフォトモンタージュ作品で人気を博した。今回の展覧会でも、広々としたヘイワード・ギャラリーの壁一面を覆うような大作が多く並ぶ。一目で彼らの作品とわかる赤・黄・黒などの鮮やかでサイケデリックな色使いの中に、落ち着いたスーツを身にまとった紳士然とした2人の姿がさまざまな形で登場し、その色彩と無表情さとのコントラストがシュールで強烈な印象を与える。まるでパラレルワールドに迷い込んだかのような感覚にさえなる。
今展では、そうした彼らの作風を保ちながらも、作品にインスピレーションを与えた言葉や広告、第三者の肖像などが登場する点が印象的だった。これらの作品からは、愛と癒し、人の弱さと強さ、欲望と葛藤──そんな人間らしさを、街のどこかで密やかに、あるいは大胆にさらけ出す人々への共感と、2人の穏やかなまなざしを感じた。
唯一無二のアーティストによる新作と代表作が織りなす、風変わりで刺激的な「21世紀の旅」。これまで彼らの作品に触れたことのない人にこそ、ぜひ体感してほしい。





Gilbert & George: 21ST CENTURY PICTURES

2026年1月11日(日)まで
Hayward Gallery
Southbank Centre, Belvedere Road, SE1 8XX
火~金 :午前10時~午後6時
土 :午前10時~午後8時
日 :午前10時~午後6時 ※月休
チケット:一般 £20
www.southbankcentre.co.uk
週刊ジャーニー No.1417(2025年10月30日)掲載















