■ ロンドンのウェストエンドといえば、世界を代表するミュージカルや演劇の本場として有名だ。人気のミュージカル作品からシェイクスピア古典劇、ハリウッドスターたちが出演する芝居まで、さまざまな作品を鑑賞することができる。アウトドア・イベントを楽しんだ夏はもう終盤。これからどんどん気温が下がっていく年末へ向け、今回は上演が予定されているステージの中でオススメの作品を6つご紹介。(文/名取由恵)
英人気俳優ベン・ウィショーの主演作Waiting for Godot

劇作家サミュエル・ベケットによる不条理劇『ゴドーを待ちながら』。木が1本立つ田舎の一本道を舞台に、ゴドーという人物を待ち続ける2人の浮浪者を描く。主人公のウラディミールとエストラゴンに扮するのは、英俳優のルシアン・ムサマティ(『ゲーム・オブ・スローンズ』/写真左)とベン・ウィショー(『パディントン』/同右)。演出はジェームズ・マクドナルド。
Theatre Royal Haymarket(最寄り駅:Piccadilly Circus)
チケット:£15〜
https://waitingforgodotplay.com
エルトン・ジョンの音楽をフィーチャーThe Devil Wears Prada

大ヒット映画『プラダを着た悪魔』のミュージカル版。名門大学を卒業し、ジャーナリストを目指すために田舎からニューヨークにやってきたアンディ。有名ファッション雑誌社に就職、編集長のアシスタントになるが…。出演は米歌手・俳優のヴァネッサ・ウィリアムズ(写真)ほか。演出・振付は『キンキー・ブーツ』を手がけたジェリー・ミッチェル。
Dominion Theatre(最寄り駅:Tottenham Court Road)
チケット:£20~
https://devilwearspradamusical.com
人気ブロードウェイ・ミュージカルがロンドンにMean Girls

2004年に米国で制作されて大ヒットした、学園コメディ映画のミュージカル版。2018年にブロードウェイでスタート、同年のトニー賞で作品賞、主演女優賞、脚本賞など、最多の12部門でノミネートされた注目作。映画同様、コメディアンのティナ・フェイが脚本を手がけている。演出・振付は『ブック・オブ・モルモン』のケイシー・ニコロウ。
Savoy Theatre(最寄り駅:Charing Cross / Embankment)
チケット:£25~
https://london.meangirlsmusical.com
『ライフ・オブ・パイ』のマックス・ウェブスターの演出The Importance of Being Earnest

アイルランド出身の劇作家、オスカー・ワイルドの『真面目が肝心』をもとにした風習喜劇。ヴィクトリア朝時代の英国を舞台に、上流階級の男女が誤解を乗り越えて結婚相手を見つける過程を描く。出演は人気SFドラマ『ドクター・フー』で15代目ドクター役を演じるチュティ・ガトゥ(写真)、『赤と白とロイヤルブルー』のシャロン・D・クラークほか。
ギリシャ悲劇の傑作を現代版でOedipus

古代ギリシャ3大悲劇詩人の1人、ソフォクレスが発表した戯曲『オイディプス王』。非情な運命に翻弄される人間たちの姿を現代に置き換えて描く。出演はマーク・ストロング(『キングスマン』/写真中央)、レスリー・マンヴィル(『ザ・クラウン』/同右端)ほか。『オレステイア』を手がけたロバート・アイクの演出。エジンバラ・フェスティバルで高評価を受け、ウェストエンドに登場。
キューブリック監督の名作が初の舞台化Dr. Strangelove

スタンリー・キューブリック監督のブラック・コメディ映画『博士の異常な愛情』の舞台版。米ソ冷戦下、米国の戦略空軍基地司令官リッパー将軍が突然、ソ連への水爆攻撃を命令し…。『アラン・パートリッジ』シリーズを手がけた英コメディアン俳優、スティーヴ・クーガン(写真中央)の主演。アーマンド・イアヌッチ(同右端)とショーン・フォーリー(同左端)による共同脚色。
週刊ジャーニー No.1356(2024年8月22日)掲載