■「アリィ・パリィ」の愛称で親しまれる北ロンドンの高台にそびえたつランドマーク「アレクサンドラ・パレス」。南ロンドンにかつて存在した娯楽施設「クリスタル・パレス」に呼応するように、北ロンドンに住む労働者層のための教育と娯楽を目的として1873年に誕生した同地には、現在はアイススケート・リンク、2018年に80年ぶりに復活した劇場、テラスカフェやレストラン、ロンドンを一望できる緑地、池や遊具のある公園があり、市民の憩いの場として年間を通し賑わう。
そんな『庶民の宮殿』が１年で最も華やぐのが、桜の季節。パレス前の道路沿いと、パレスの下側に広がる緑地の歩道沿いにずらりと並ぶピンク色の八重桜は、例年4月半ばに満開となる。桜の下は芝生なのでピクニックに最適。桜の向こうにシティやBTタワーまで見晴らせる景色を一望しながら、お花見弁当を楽しもう。これほど見事な桜と景色を楽しめる花見の名所、これが日本だったら混みあうこと必至だが、場所取りの必要もなくゆったりとピクニックできる。
英国人の友人を「Hanami （flower viewing）」に誘って出かけてみては？（文／ネイサン弘子）