気分はクルーズ!リバー・バスでテムズ河遊覧

■ロンドンの中心部と東西を結んでテムズ河を渡る公共交通機関のリバー・バス。2020年からウーバー社をスポンサーに迎え、『ウーバー・ボート・バイ・テムズ・クリッパーズ』として運航されている。新たに路線が延長され、船内の施設も充実。観光、通勤、夏のテムズ河クルーズなどに活用したい。(取材・執筆/名取 由恵・本誌編集部)

ルートマップ

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お薦めルート1 ロンドン中心部の観光ポイントがぎゅっとつまった
WestminsterまたはEmbankment~Tower Pier

テムズ河畔にあるロンドンの観光要所をまとめて一度に見たい、という方にオススメなのがこのルート。国会議事堂近くのウェストミンスター・ピアー(あるいはミルバンク)、または地下鉄エンバンクメント駅から目と鼻の先にあるエンバンクメント・ピアーより乗船。ロンドンアイ、サウスバンク、ザ・シャード、セント・ポール大聖堂、テート・モダンなど、人気ランドマークを眺めながらロンドン塔へ向かう。船上から見るタワー・ブリッジの全景も壮観だ。

【所用時間の目安】約25~35分
【片道料金(大人)】7.70~9.50ポンド

お薦めルート2 バタシーから見どころたっぷりのグリニッジまで
Battersea Power Station ~Greenwich

2021年にオープンしたノーザン・ラインのバタシー・パワー・ステーション駅といえば、ピンク・フロイドのアルバム『アニマルズ』のアートワークに登場するバタシー発電所が有名だが、その側にあるピアーから乗船。ロンドン中心部を通って、海事都市として世界遺産に登録されているロンドン南東部の町グリニッジに向かう。リバー・バスの発着場はカティサーク号の近く。アクセスしにくいグリニッジの観光もこれで楽勝だ。

【所用時間の目安】 約53分
【片道料金(大人)】8.70~11.20ポンド
地下鉄ノーザン・ラインの新駅がオープンしたことで、再開発が急ピッチで進む旧バタシー・パワー・ステーション(火力発電所)。
ロンドン・アイ

ビッグベンの修復作業もほぼ完了した国会議事堂。
最寄りの地下鉄駅からは少々離れているテート・モダン美術館だが、バンクサイド・ピアーを使えばすぐそこ。

ブラックフライアーズ・ピアーとバンクサイド・ピアーの間あたりで現れるセント・ポール大聖堂。
おなじみのタワー・ブリッジ

タワー・ピアーからならロンドン塔の全容が撮影できる!
グリニッジの旧王立海軍大学

O2アリーナ

●チケットにはシングル(片道)、リターン(往復)があり、ゾーン(地下鉄やバスのゾーンとは異なり、セントラル、ウェスト、イーストの3ゾーン制)によって料金が変わる。地下鉄・バス同様に、オイスターカード、コンタクトレスカードが利用できるほか、オンラインやアプリでも購入可。何回も乗り降りする場合は1日乗り放題チケット(10.10~21ポンド。スマホにダウンロードすることもできる)=写真右=が便利。通勤利用の場合はシーズンチケットもある。各チケットはピアーにあるチケット売り場や券売機でも購入できるが割高になる。

●西の始終点ピアーはパットニー、東はバーキング・リバーサイド。この間に22ピアー(ふ頭)がある。現在、運行されているのはRB1、RB2、RB4、RB6 のルート。路線によって停まるピアーが異なるほか、平日・週末、朝夕のラッシュアワー時で運航状況が異なるので、時刻表を確認しておこう。

●実際には時刻表通りに運航されているとは言い難く、かなり待つこともある。また、定員に達してしまうと乗船できないので、時間に余裕をもって利用することを強くお薦めしたい。

●船内はトイレも完備。車椅子でも乗船可能。カウンターではドリンク(ホット・コールド)、スナック類のほか、アルコールも販売されている(持ち込みも禁じられてはいない)。お酒を飲みながらの乗船が許されているわけだが、くれぐれも周囲の乗客への配慮を怠らずに楽しむことをお忘れなく。

時刻表、ルートの詳細などは、 www.thamesclippers.comでご確認を。

週刊ジャーニー No.1248(2022年7月14日)掲載

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