リアルとヴァーチャルが交差するエキシビション KAWS: NEW FICTION

実展示:FAMILY 2021
■ 世界中で数億人のプレーヤーを誇る人気のオンラインゲーム「フォートナイト」内に、ロンドン中心部のサーペンタイン・ノース・ギャラリーが出現!現在同ギャラリーで開催中の現代アーティスト、カウズ(KAWS)による絵画や彫刻のエキシビションを、世界中からゲームを通してヴァーチャルでも鑑賞することができる。『リアルな方』のギャラリーに、カウズのポップアートを鑑賞しに出かけてきた。(写真・文/ネイサン弘子)

目がバッテンのドクロキャラクター「コンパニオン」で知られるカウズ(英語の発音はカーズに近い)は、これまでにユニクロやナイキなど多数のブランドとコラボレーションし、日本でも人気が高い。そんなアーティストが今回手を組んだのは、オンラインゲーム「フォートナイト」とケンジントン・ガーデンズにある現代美術ギャラリー「サーペンタイン・ノース・ギャラリー」だ。

サーペンタインでのカウズのエキシビションが開幕した1月18日午後、ゲームのフォートナイト内に同ギャラリーを再現した「KAWS & Serpentineハブ」が出現。現実世界のアートギャラリーがフォートナイト内に再現されるのはこれが初めて。ゲーム内でプレイヤーは、アバター(分身)と一緒にカウズの作品が展示されたギャラリーや敷地を見て回ることができる。(フォートナイトからは島のコード9441-7852-6686でアクセス可能)

KAWS, SEEING, 2022, augmented reality sculpture at Serpentine North Gallery. Courtesy of KAWS and Acute Art.
フォートナイトで見たサーペンタイン・ノース・ギャラリー

一方、現実世界に目を向けると、実会場ではポップで色鮮やかな絵画や彫刻の実物を鑑賞できる。さらにはスマートフォンにバーチャル空間でアートを楽しむアプリ「Acute Art」をダウンロードし、携帯のカメラと連携してギャラリーの内外を写すと、そこにはカウズによる拡張現実(AR)インスタレーションが出現する。

実展示:WHAT PARTY 2020
左のスケルトンと宙に浮くコンパニオンは、アプリを通してのみ見える
実展示:SEEING 2018(左)、WATCHING 2018(右)
実物の絵画を鑑賞するARのインスタレーション

ゲーム内のギャラリー、実在するギャラリー、ARの3つのレイヤーからなる本エキシビジョンを、「並行した現実の中で行われる複雑な展覧会」と表現したカウズことブライアン・ドネリー氏。その中でリアルを体感できるのはロンドンだけ。その上無料とくれば、行かなきゃ損!かも。

1990年代のニューヨークでグラフィティを始めて以来、カウズとして活躍するブライアン・ドネリー氏

KAWS: NEW FICTION

Serpentine North Gallery
West Carriage Drive, W2 2AR
~2月27日まで
火曜~日曜 10am~6pm
無料、要予約
www.serpentinegalleries.org

週刊ジャーニー No.1224(2022年1月27日)掲載