世界遺産で日本を堪能 Japan at Kew Gardens

塩田千春氏によるインスタレーション「One Thousand Springs」
■世界最大の生きた植物のコレクション数を誇り、四季折々に来園者を癒し楽しませてくれる植物園「キュー・ガーデン」。木々が色鮮やかに紅葉しはじめる10月、日本をテーマにしたイベントが開催され、ロンドン市民が和の風情を楽しんでいる。

日本の魅力的な植物、芸術、文化をフィーチャーしたフェスティバルとあり、期待を込めてわくわくしながらキュー・ガーデンに足を運んだ。まずはゲートでパンフレットをもらおう。日本を味わえるポイントが設置されたルート「Momijigari Trail」には、同園で一番日本を感じられる「勅使門(Chokushi-Mon)」、「民家(Minka House)」、「イチョウ並木(Ginkgo Grove)」「日本のもみじ(Japanese Maples)」などが紹介されている。あいにくの雨だったが、色づき始めたばかりの紅葉はシトシトと降り注ぐ雨に濡れ色鮮やかさを増そうとしていた。

2018年に再オープンした、世界最大級の温室「Temperate House」では、日本人アーティスト塩田千春氏による無数の俳句をまるで真っ赤な紅葉のような赤い糸で吊り下げた大規模インスタレーション「One Thousand Springs」に圧倒され、英国の石灰岩と日本の植栽を組み合わせた「Chalk Garden」や菊の花壇にすっかり心を奪われた。また、同温室では週末に、迫力の中にも神聖な雰囲気さえ漂う巨大書道の実演や、ユニークな音楽パフォーマンスを楽しむことができる。このほか、開催日時限定の夜間イベント「Japan After Hours」では、音楽やダンス、生け花のデモンストレーションや日本酒バーなど、日本をさらに満喫できる『大人の夜』が繰り広げられるのだとか。

旅行家で植物画家のマリアンヌ・ノースの名を冠した「Marianne North Gallery」では、日本の植物や風景を描いた絵画も展示されている。さらに、期間中、園内のカフェ「The Orangery」とレストラン「Pavilion Bar and Grill」では日本食メニューが提供されている。

コロナ禍で日本への一時帰国を見送り、郷愁を募らせている在英邦人は少なくない。この秋は、日本人の友人やステイケーションに飽き気味の英国人を誘って、日本の風を感じにキュー・ガーデンに足を運んでみてはいかがだろう。日本がさらに恋しくなってしまうかもれしれないけれど!(写真・文/ネイサン弘子)

木々の葉が薄く色づき始めた日本庭園(10月2日撮影)
ブリストルを拠点に活動するミュージシャンICHI氏による音楽パフォーマンス(週末の11am/12pm)
書道家の佳萩(KASHUŪ)氏による書道の実演(週末の1:30/2:30/3:30pm ※10/31の3:30はなし)

Chalk Garden

Japan at Kew Gardens

Kew, London, TW9 3AE
www.kew.org
~10月31日(日)まで
料金:4〜15歳:£5、16〜24歳:£8.75、25歳~:£17.50、65歳~:£15.50(通常入園料金に含まれる)

Japan After Hours

10月8日(金)、9日(土)、15日(金)、16日(土) 6:30pm ~10:30pm 
料金:£19(イベント限定チケット、日中の入園不可、子供入場不可)

週刊ジャーニー No.1209(2021年10月7日)掲載