「Style meets sustainability」。『売りたい』はずのデパートが売らずに貸し出す今回のファッション・レンタル・サービスのキーワードは、今あらゆる分野で声高に叫ばれている「サステナビリティ」。サステナビリティとは「持続可能であること」を意味し、環境や社会にやさしい持続可能なものや事象に対して使用されている。「持続可能な高級ビジネスをリードするという野心的な計画に向かって進んでいます」と、公式ウェブサイトで表明する同デパートによるサステナブルな取り組みの一環だ。
ハロッズがパートナーシップを組んだ「MY WARDROBE HQ」は、英国初のファッション・レンタルのマーケットプレイス。今年5月にボリス・ジョンソン首相と結婚したキャリーさんが同社からウェディングドレスをレンタルしたことで話題になり、一気に知名度を上げた。レンタル・ファッション界で飛躍する同社のオンラインショップでは、ハロッズ特別エディションのページを設け、さらにハロッズの実店舗内に今月ポップアップのレンタル・ブティックを期間限定オープン。ハロッズで取り扱われているブランドの商品を取り揃え、レンタル前に試着することができる。
ハロッズの4階にある「MY WARDROBE HQ pop-up 」に足を運んでみたが、「ガーディアン」紙をはじめとする英メディアで取り上げられた話題性に比べると、一見小ぢんまりしたドレス・ショップにしか見えないのが残念なところ。レンタルのサインも小さくアピール不足の感が否めないが、ドレスを中心とした華やかな衣装はどれも一回は着てみたいと思わせるパーティー映えしそうなものばかり。
レンタルの仕組みは簡単。「MY WARDROBE HQ」オンラインで利用登録すればハロッズの店舗から直接レンタルが可能。ドレス以外のファッションやメンズ、キッズも扱う品揃え豊富なオンライン・ショップからレンタルする場合も同様に利用登録し、オーダーしたら配達を待つだけ。返却時のクリーニングは不要で、返送無料。最短レンタル期間は4日間。
また、これらの貸し衣装は買取も可能で、市場価格の半額以下というかなりお得な値段設定となっている。
筆者の手元にもパーティーのために購入したものの、一度着たきりでタンスに眠るドレスが何着あるだろうか…。環境のためにも、これ以上タンスの肥やしを増やさぬためにも、今後機会があれば積極的にレンタル・ファッションを利用してみたい。(写真・文/ネイサン弘子)
MY WARDROBE HQ pop-up
Harrods4階
10月8日(金)まで
www.harrods.com/en-gb/services/my-wardrobe-hq
MY WARDROBE HQ
www.mywardrobehq.com/harrods
週刊ジャーニー No.1199(2021年7月29日)掲載