ロンドンには大規模なストリート・マーケットがいくつかある。花に関していえば東ロンドンのコロンビア・ロード・フラワーマーケットColumbia Road Flower Marketが最も名高い。第二次世界大戦時、および戦後の低迷期を乗り越えて1960年代に盛り返し、今に至っている。
この東ロンドンの人気マーケットに対抗すべく、西ロンドンで始まったのがチズィック・フラワーマーケットだ。スタート早々、コロナによるロックダウンを経験。多難な船出となったものの、5月2日に約6ヵ月ぶりに再開すると聞き足を運んでみた。
チズィック・ハイ・ロード沿いに14店、そこからL字型を描くように、デヴォンシャー・ロードにさらに10店が出店。切り花、苗、鉢植え、ドライフラワーと、バラエティ豊かな店が並ぶ。
コロンビア・ロードに比べればまだまだ小規模ながら、あまり混雑していない分、ゆったりとそぞろ歩きしつつ品定めができる。これならはぐれる心配も少なさそうだ。家族連れが多く目についたが、子供たちも花の香りを楽しんだり、目についた花について質問したりと目を輝かせていた。
コロナのこともあり、ほとんどの店ではコンタクトレス・カードが使用可能(公衆トイレはないので、パブやカフェで借りるしかない)。また、一角では大道芸人によるクラシック音楽が流れ、コロンビア・ロードとは違った雰囲気。月に1度というペースながら、季節を感じさせる路上マーケットとして定着していくことだろう。西ロンドンにお住まいなら、ぜひ訪れてみていただきたい。(写真・文/本紙編集部)
Chiswick Flower Market
毎月第1日曜日 9:30 ~15:00 次回は6月6日!
Old Market Pl, Chiswick High Rd, London W4 2DR
最寄り:Turnham Green駅徒歩7分
https://chiswickflowermarket.com
週刊ジャーニー No.1190(2020年5月27日)掲載