食卓をクリエイティブに造りこむ テーブルスケーピング

■ 造園するように大胆に、絵画を描くようにアーティスティックに。テーブル・セッティングが進化した「テーブルスケーピング」がSNSを彩り、注目を集めている。

段階的に緩和されつつも、頻繁にルールが変更される英国のロックダウン政策。8月18日現在、屋内での集会は異なる2世帯まで、屋外では世帯に関係なく6人まで/6人以上では2世帯までとなっているが、まだ以前のように気安くホームパーティーを開ける心境になれない人の方が多いのではないではないだろうか。
そんな状況の中、意外にも今注目を浴びているインテリア界のトレンドが、様々なオブジェや植物を散りばめてテーブルを飾る「テーブルスケーピング」。「造園」を意味する「ランドスケーピング」をもじって生まれた言葉だ。
気軽な食事会がままならない状況であるにもかかわらず、華やかなパーティーにピッタリのテーブルスケーピングが流行している理由として、やはりSNSで披露できるということがあげられる。実際SNSで「tablescaping」を検索すると、見とれてしまうような美しい『作品』がずらり。
初夏のイングリッシュ・ガーデンに迷い込んでしまったかのような華やかなテーブル、本物の苔と小石を並べた禅の雰囲気漂うテーブル、アンティークのカニの置物や貝殻が置かれ、潮の香りが漂ってきそうなテーブル、枝についたままの大量のレモンを這わせた爽やかなテーブルなど、確かに通常のテーブル・セッティングよりも作りこまれたアイディアとセンスが光る。スクロールして見ていると時間を忘れそうになる。
そんなテーブルスケーピングの腕前を披露するインスタグラマーやインテリアデザイナーのお気に入りとなっているのが、独立系の個性的なインテリア・ショップだ。ロンドンベースのデザイナーが手掛ける、カラフルで心躍るようなテーブルウェアが目を引く「Matilda Goad(https://matildagoad.com)」、テーブルの上をぐっとエレガントにしてくれるキャンドル・ホルダーが人気の「anna + nina(www.anna-nina.nl/en)」など、オンラインショップを覗いてみると、自分でも素敵な食卓が作れそうと思わせられる商品が並ぶ。
日々の食卓で料理に合わせた食器を使用したいと思いつつ、ついいつも同じ食器で済ませてしまう筆者も、テーブルスケーピングに挑戦してみた。
観葉植物や子供が集めていた石ころなど、家にあった使えそうなものをかき集め、テーブルの上で何度も並べなおしていると、なるほど、まるで造園作業をしているような気分になる。SNSでキラキラ光る写真には到底及ばない出来となったが、作る作業は楽しいもの。さらなるデザインに挑戦してみたいが、新たな食器や置物を増やす前に、相変わらず多い在宅時間を利用し、まずは食器棚に眠っている食器たちを整理することからはじめることにしよう。(写真・文/ネイサン弘子)

週刊ジャーニー No.1152(2020年8月27日)掲載