お土産の新定番!? ミュージアムマスク

■ ミュージアムが所蔵する作品をデザインに取り入れた、そこでしか買えないオリジナル商品が人気のミュージアム・ショップにフェイス・マスクが登場!『デザイン勝負』とばかりに各地の美術館・博物館が洒落たマスクの開発に乗り出している。

イングランドでは6月15日から公共交通機関でのマスクなどのフェイス・カバリング(face coverings)の着用が義務化され、続いて7月24日からスーパーマーケットや小売店の店内での着用も義務化された。これまでミュージアムは義務化の対象ではなかったが、7月31日のジョンソン首相の会見で、8月8日から映画館やミュージアム、礼拝所などでも、顔を覆うことが義務化されることが発表された。だがすでに、政府の決定よりも先に多くのミュージアムがフェイス・カバリング着用の方向へと舵を切っていた。
ロックダウン緩和後、他のミュージアムに先駆けて7月8日に再開した「ナショナル・ギャラリー」、同27日に再開した「テート・モダン」をはじめとする4つのテート・ギャラリーなどでは、着用義務化に含まれていた館内のショップ以外の場所でもフェイス・カバリングの着用を奨励しており、また、同9日に再開した「ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ」は、館内でのフェイス・カバリングの着用を独自に義務化するなどしている。窓がない、またはあったとしても開放されることはない室内施設であることが多いミュージアムでの政府による着用義務化は当然の流れと言えるだろう。
そんな中、一早くマスクの製造・販売に乗り出したアパレル各社に続き、ミュージアムでもオリジナル・マスクが販売され、ロックダウン緩和後にミュージアムを訪れたアート・ファンや、公式ウェブ・ショップで人気を呼んでいる。
現在、日本で開催中の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」に出張中のゴッホの名画「ひまわり」柄のマスクが好評なのは「ナショナル・ギャラリー」。同ギャラリーの購買担当を務めるジュディス・メイザーさんは、「ニューヨーク・タイムズ」紙のインタビューに応え、「6月にスーパーに行って周りを見渡した時、多くの人が手術用のような不格好なマスクをしているのを見て、アートがこれらをもっと違った印象的なものにしてくれるかもしれないと思いました」と、アートなマスクを作ろうと思ったきっかけを語った。
今後、エコバッグやスカーフに並び、各施設が所蔵する自慢のアートをデザインした「ミュージアム・マスク」が、お土産の新定番になりそう。現在まだマスクを販売していない「大英博物館」や「V&A」などのオリジナル・マスクにも期待したい! (文・ネイサン弘子)

週刊ジャーニー No.1149(2020年8月6日)掲載