ドライブイン・シアターといえば、駐車場のような広い敷地に巨大スクリーンが設置され、車に乗ったまま映画鑑賞ができる施設。1950年代の米国で大ブームとなり、一時は青春のシンボルに。お出かけ(going out)でありながらも、車の中にいる(staying in)このスタイルが、「コロナ時代」の安全なイベントの楽しみ方として今夏、注目を集めている。
イベントを主催する団体によって内容は異なり、工夫もさまざま。毎年、野外映画イベントを手掛けている「Luna Cinema」では、野外映画の定番、米青春映画「ダーティ・ダンシング」(1987)や学園ミュージカル映画「グリース」(1978)のほか、昨年のヒット映画「ロケットマン」などを上映する。当日は食べ物と飲み物もオーダー可能で、車まで届けてくれる仕組みだ。
映画と同様に食事にも重きを置くのが、ミシュラン・シェフのトム・ケリッジがプロデュースする「Drive & Dine Theatre」。ソーセージ・ロール、ポテトサラダなどがセットになったピクニック・ボックスやチーズバーガーなど、米国のドライブイン・カルチャーをイメージしたメニューが用意されている。
映画以外のショーも企画しているのが、「The Drive-In Club」。映画に加え、英コメディアン、ビル・ベイリーやジェイソン・マンフォードのライブ・パフォーマンスや、子供番組「ラスタマウス」のショーが予定され、大人から子供まで、より広い年齢層で楽しめそう。
さらに、音楽イベントなどライブ・エンターテインメントを牽引する「Live Nation」では、「The Streets」「Kaiser Chiefs」「Dizzee Rascal」らのライブ・パフォーマンスを計画。すでにチケットが売り切れとなったコンサートもあるので、早めの予約が良さそう。車の中あるいは、車の横から演奏を堪能することができようで、どれほどの熱気に包まれるか興味津々。これもポスト・コロナのニュー・ノーマル!?(文・西村千秋)
The Drive-In Club
www.thedrivein.club
北ロンドン(ブレント・クロス)、東ロンドン(ダゲナム)でのコメディ/キッズショー、映画上映。1台35ポンド〜。7月3日〜8月9日。
@TheDriveIn
www.atthedrive.in
英国13都市を巡回し映画を上映。南ロンドン(サーカス・フィールド、7月6〜12日)と東ロンドン(場所未定、9月16〜21日)ほか。1台35ポンド。7月6日〜10月4日。
Luna Cinema
www.lunadriveincinema.com
ブレナム宮殿をはじめ、英国5ヵ所で映画が上映される。1台31.50ポンド〜。7月4日〜。
Drive & Dine Theatre
driveanddinetheatre.com
ミシュラン・シェフ、トム・ケリッジが手掛ける、ドライブイン・シアター。 英国8都市で映画およびコメディ上映。1人17.50ポンド(別途、食事もオーダー可)。7月7日〜8月2日。
Sunset Cinema
https://sunsetcinema.uk
西ロンドンのアクトンでの映画上映。1台50ポンド(3人以上同乗する場合は追加チケット要)。7月5〜29日。
Drive In Film Club
https://rooftopfilmclub.com
北ロンドンのアレグザンドラ・パレスで行われる映画上映会。1台27.50ポンド〜。7月4〜31日。
Utilita Live from the Drive-In
www.livenation.co.uk/utilitalivefromthedrivein
夏の間、英国12ヵ所で開催されるライブ・コンサート。
週刊ジャーニー No.1143(2020年6月25日)掲載