作って楽しい見て楽しい フォカッチャ・アート

■ ロックダウンでの家籠りをきっかけに多くの人がパンやお菓子のベーキングに目覚めた。そんな中、ベーキングの一歩先を行くアーティスティックなパンが、SNSを彩っている。

コロナ禍でのフードトレンドの筆頭はなんと言ってもベーキングだろう。失敗が少なくとっつきやすいバナナブレッドにはじまり、小麦粉と同様に品薄になったドライイーストを使用しないで作るサワードウ・ブレッド、極小パンケーキで作るシリアルが話題になった。そして今、人々がSNSでパン作りの腕とともにアーティスティックなセンスを披露しているのが、フォカッチャ・アートだ。フォカッチャは外はカリッ、中はモチッとしたイタリアの平たいパンで、材料も作り方もシンプルで比較的簡単なため、ベーキング初心者でも失敗が少ないという。
インスタグラムで「#focacciaart」と検索すると、自然の草花がデザインされたたくさんの写真がヒット。中にはゴッホの名画「ひまわり」や「星月夜」を再現したものまである。そのどれもが、目にも鮮やかなだけでなく香ばしい匂いが漂ってきそうで食欲をそそられ「作ってみたい!」と思わせられた。

筆者もこれらの『作品』に食欲とアート心を刺激され、さらに簡単で作りやすいならばと、早速フォカッチャ・アートに挑戦してみることにした。
まずは生地作りだが、その日のうちに作って焼く方法と、前夜に生地を作り、冷蔵庫で一晩低温発酵させ、翌日に焼き上げる方法とがある。前日に仕込んでおけば当日は生地を広げて1〜2時間再発酵させるだけで焼けるので、朝に時間をかけたくない人にオススメ。発酵が終わったら生地を広げ、用意しておいたハーブや野菜を自由に乗せて焼けば出来上がり! デザインに悩んでしまいそうなら、紙にラフデザインを描いておこう。作る工程も出来上がりを見るのも楽しく、さらに食べる時には「私はトマトの花のところ!」「次はパリパリのケールのところ!」と、バラエティ豊かな味を楽しむことができた。

しばらくスーパーの棚から消えていた小麦粉類も、最近になりようやく少しずつ見かけるようになった。これを機に、食とアートが融合したフォカッチャを作ってみては?(写真/文・ネイサン弘子)

週刊ジャーニー No.1141(2020年6月11日)掲載