ファッション業界×新型コロナ マスク生産、続々!Mask Factory

■ 医療関係者が新型コロナウイルス・パンデミックの最前線で闘う姿を目の当たりにし、何かできることはないかと思いをめぐらす人は少なくない。そんな中、ファッション業界が立ち上がった! その方法は…?

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、将来に不安を抱くのはどの企業も、そして個人も同じだろう。ファッション業界では小売店が休業となり、売上げが激減することが予測され、関連イベントもキャンセルあるいは延期の措置がとられている。こうした状況をよそに、世界的危機を乗り越えるべくファッション業界が出した答えは、マスクを作ること。
医療用マスクなどの個人防護具(PPE)不足に直面する医療業界の声を受け、ルイ・ヴィトン、ディオールなどを抱えるLVMHグループでは、4000万個以上の医療マスクを中国の生産者から取り寄せてフランスの医療機関に寄付する計画が進行している(同社ではマスクに先駆け、アルコール・ジェルを作って病院に送るという香水部門のプロジェクトも実施されている)。
またイタリアが本拠地のプラダでは、マスク11万個、医療用オーバーオール8万個を生産するなど貢献中。このほかヨーロッパ各地では、イブサンローラン、バレンシアガなどの高級ブランドがこの動きに参加し、ハイストリート系のザラやマンゴー、コスも支援体制を見せ、医療用マスクを寄付しているという。
英国に目を向けてみると、バーバリーでは同社が誇るサプライチェーンを最大限活用して、NHSに医療用マスクを提供予定。これに加え、普段はトレンチコートが作られているヨークシャーの工場で、患者用のマスクや衣類が生産されているのだそう。他にも各団体が声を掛け合って個人防護具の不足を補うムーブメントが起きている。
医療用として認められるマスクを作るのは通常の服を作るのとは異なり、特別な認証を得る必要があるなど簡単なことではない。ただ、マスクのほとんどを輸入に頼っている英国にとって、国内で生産できるに越したことはない。
企業としての体力がある大手ブランド以外でも、スキルを活かした取り組みがなされており、手作りマスク用の型紙をオンライン上で公開したり、おしゃれなマスクを作るデザイナーも。この状況の中、こうしたポジティブな活動には勇気づけられる人は多いに違いない。(文/西村千秋)

北イタリアのファッション・グループ「Miroglio」では、地元自治体と協力して一般用マスクの生産が行われる。

週刊ジャーニー No.1132(2020年4月9日)掲載