
■ ロンドンにフードホールの波が押し寄せている。フルハムとヴィクトリアで営業中の「マーケットホール」がオックスフォード・サーカスに3つめをオープンしたと聞き、早速足を運んだ。
近年ロンドンに姿を現しているフードホールの数々は、単なるファストフードの集合体ではなく、グルメな大人も楽しめる、カジュアルながらこだわりの食を提供するのが売り。ロンドン中心部に登場した「アーケード・フードシアター」や「セブンダイヤルズ・マーケット」といったフードホールにも注目店が軒を連ねる。
今回紹介する「マーケットホール・ウェストエンド」の入口は、喧騒のオックスフォード・ストリートから百貨店ジョンルイスの角を北へ少し入ったところにあった。メインホールへと続く階段の横には「Stairway To Food Heaven(食天国への階段)」の電飾文字が輝いていて、「何が食べられるのかな?」と食いしん坊の期待は高まる。

数年前に閉店した百貨店BHSの建物を利用したフードホールは、英国最大を謳うだけあって、かなり広い。飲食エリアは、カヴェンディッシュ・スクエア・ガーデンズに面した側に設けられており、窓ガラス越しに緑が見えて、開放的で気持ちが良い。ただ、訪れたのが平日の午後だったためか、客の姿はまばら。昨年11月にオープンしたばかりで、まだ知名度が低いのかもしれない。お店の人によると木曜や金曜の夜は会社帰りの人々で混み合うそうだ。おひとりさまでも利用しやすいし、グループでも各自で好きなものを買ってテーブルに集合すればワイワイと楽しめるだろう。

出店飲食店は、薄いお好み焼き風の台湾クレープ、中華点心や麺、イタリアン・パスタ、メキシカン・タコス、中東ケバブ、マレーシア・カレーなど、国際色豊かなメニューを提供する11店舗。バーももちろん併設だ。

Market Hall West End
9 Holles Street, London, W1G 0BN
www.markethalls.co.uk/market/west-end
週刊ジャーニー No.1123(2020年2月6日)掲載