キングズクロスに誕生 コール ドロップス ヤード

開放的な広場を囲むようにしてショップが並ぶ。右上は遊歩道が設置され、その奥には運河が流れる。

再開発の勢いが止まらないキングズクロス地区に、新たなお出かけスポットが誕生! 一帯が活気を増している。
キングズクロス駅とセント・パンクラス駅の間から北方面に伸びる遊歩道を歩くこと5分。リージェンツ運河を越えると、左手に弧を描くように連なる煉瓦造りの建物が見えてくる。ここが10月26日に新しくオープンした「コール・ドロップス・ヤード(Coal Drops Yard)」。買い物や食事、アート観賞などができるスペースだ。
名前の由来は、産業革命に沸いた19世紀の英国にある。鉄道開通により、首都ロンドンには地方都市から穀物やタバコ、家具などが続々と運び込まれた。なかでも重要な存在だったのが、主要なエネルギー資源として使われていた「石炭(Coal)」。大量に輸送される石炭を効率よく搬入すべく設計された細長い倉庫には、天井(床)に上階と下階をつなぐ穴が設けられていた。石炭を乗せた列車が到着すると、倉庫の上階部分に入り込んで停車。貨物車両の底が開かれ、穴を通して下階部分に石炭が落とされた(drop)という。
時代の移り変わりとともに倉庫が使われなくなると、1980年代にナイトクラブなどとして利用されたのち、現在の姿へと生まれ変わった。
ロンドンの新たなお出かけスポットともいえるこのコール・ドロップス・ヤードは、ヴィクトリア朝時代の倉庫を生かした作りで、3フロアに分かれている。広場を囲むように建物が配されたヤード(yard)レベルと、その上にあり、広場を見下ろすような格好のヴァイアダクト(viaduct)レベルには、国際的に知名度の高い「Paul Smith」「Fred Perry」のほか、コアなファン持つ「Tracey Neuls」「Ally Capellino」「Cos」(近日オープン予定)など、服飾からインテリア、雑貨、スキンケア商品にいたるまで多様なショップ、レストランやカフェなどが人々を迎える。
さらに最上階のアッパー・レベルには、来年「Samsung」によるデジタル・プレイグラウンド(!?)も開設されるのだそう。
飲食店の数は少ないので、食事と言うよりは買い物が中心。オープンしたもののまだ工事が続いているあたりがいかにも英国らしいけど、ロンドン中心部のショッピング・エリアの人混みが苦手な人にはぴったり。各種イベントが予定されており、今後どんな風に私たちを楽しませてくれるのか、乞うご期待! (写真・文/西村千秋)

それぞれの店はガラス張りの入り口で、入りやすい雰囲気。

右奥の羽のような形の部分が、最上階にあたるアッパー・レベル。

Coal Drops Yard

King's Cross, N1C 4DQ
www.coaldropsyard.com

週刊ジャーニー No.1060(2018年11月8日)掲載