認知症を患う家族や親戚を介護するため、英国では毎年5万人が『介護離職』を余儀なくされ、英国経済にも深刻な影響を与えていることが調査の結果明らかになった。「デイリー・テレグラフ」紙が報じた。
認知症患者はイングランドだけでも70万人を数え、今後30年で患者数は2倍に達すると予測されている。この増え続ける認知症患者を介護するのは、貴重な働き手であるケースが少なくない。『介護離職』が英国経済にもたらす損失は16億ポンドにも上ると見積もられており、その深刻さが社会問題となっている。
英保健省のジェレミー・ハント大臣は、「雇用主や地域社会が提供する介護者へのサポートが不十分であるため、仕事を休んだり、離職したりしなければならない状況になっている」と、企業、社会からの理解やサポートがまだまだ少ないことに懸念を表した。一部の企業では支援が始まっていることを評価しつつも、「多くのケースで、介護をしながらの就労継続を可能にする、フレキシブルな勤務形態やカウンセリングを提供するまでに至ってはいない」と付け加えた。
イングランド公衆衛生サービスの調査によると、就労可能な年齢層で、認知症患者の介護にあたっているのは8人に1人。働きながら介護に携わり、仕事と介護をどうにか両立させているのは半数に過ぎない実情が明らかになった。
政府は今年4月から『認知症に優しい社会の実現へ』をテーマとしたテレビ広告を放映し、より多くの認知症患者の人々がサポートを受けられるよう、働きかけを強化。デヴィッド・キャメロン首相は「経済、社会、個人すべてが認知症患者とその家族に対し、より良い理解と対応を試みることが、患者と家族を孤立させないことにつながる」と話している。

















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