チェダー大量盗難…チーズはどこへ?意外な密輸先は、この国か? その1

■ 今年10月、ロンドンで卸売価格30万ポンド相当の高級チェダーチーズが盗まれる事件があった。犯人は現在も捕まっていない。総重量約22トンと言われるチーズは、一体どこに消えたのか。BBCのダン・サラディノ氏の記事を一部抜粋する。

世界貿易機関(WTO)によると、密輸、偽造、盗難など食品関連の犯罪は毎年世界で約230億~380億ポンドの損失をもたらしている。その中でも、特に高級チーズが標的にされるケースが多く見られる。昨年のクリスマス前には、高速道路M5のサービスエリアで、トラックから約55万ポンド相当のチーズが盗まれた。1998年には、サマセットの農場から9トンのチェダーチーズが盗まれる事件もあった。同様の事件はヨーロッパ諸国でも発生している。2016年、イタリア北部の倉庫から8万ポンド相当のパルミジャーノ・レッジャーノが盗まれた。このパルメザンは約1000年間、変らず継続してきた製法で作られ、1年以上の熟成が必要だ。イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノ協会は、2年間で約540万ポンド相当のチーズが盗まれたと発表した。

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犯人と決まった訳ではないが、ロシアはチーズのブラックマーケットが盛況な国のひとつだ。2014年3月にクリミアがロシアに併合された後、EUなどはロシアに経済制裁を課した。これに対し、プーチン大統領は制裁国からの生鮮食品を禁輸した。国営テレビは、外国の食料品がブルドーザーに押し潰され、埋められる映像を流した。その中には巨大なチーズの山もあり、「フロマジサイド(チーズの虐殺)」として話題となった。

ウクライナ侵攻が本格化してから制裁はさらに厳格化され、スコッチウィスキーやノルウェー産サーモンなど、西側からの食品入手がより困難となった。それに伴い、EUからの高級食材を扱うロシア国内のブラックマーケットは拡大の一途を辿っている。グローバル食料安全保障研究所の創設者クリス・エリオット教授は「チーズとワインは、ロシアに違法輸送される代表的な食品のひとつだ。ベラルーシやジョージア経由でヨーロッパの国境を越えるルートがある」と語る。(その2に続く)By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)


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