■ ロンドンの高級デパート「ハロッズ」=写真=の元女性従業員たちが、当時のオーナー、モハメド・アル・ファイド氏(Mohamed Al Fayed)から性的暴行を受けていたと証言。今後、被害を訴えて名乗り出る女性の数は増加すると見られており、性犯罪の規模の大きさと深刻さが社会に衝撃を与えている。BBC(電子版)が報じた。

アル・ファイド氏のキャリアは、アレクサンドリア(エジプト)の路上で発泡酒を通行人に売り歩くことから始まった。のちに、サウジアラビア人で大富豪の武器商人の妹と結婚したことを機に人脈を築き、ビジネス帝国を築いた。1974年、アル・ファイド氏は英国に移住し、1985年にハロッズを買収した。1997年にダイアナ元妃とともに息子のドディを事故で失ったアル・ファイド氏はネットフリックスのドラマ・シリーズ『ザ・クラウン』2作を通じて若い世代にも知られるようになった。劇中でアル・ファイド氏が肯定的に描かれたことに怒りを覚えた人もいた。「これは歴史の歪曲だ。真実が明らかにされる必要がある」と主張する人もいる。
BBCが話を聞いた女性たちは、アル・ファイド氏の気さくで社交的であるというイメージは真実とはかけ離れていると証言する。1988年から1991年までアル・ファイド氏の個人秘書をしていたソフィアさんは「彼は何度も私を襲おうとした」と言い「あの男を気さくで社交的な人間として記憶すべきではない。そんな人間ではない」と訴える。
被害女性たちの証言を総合すると、アル・ファイド氏による捕食者的行動と性的虐待のパターンが明らかになる。アル・ファイド氏はハロッズの広大な売り場を定期的に巡回し、魅力的だと思った若い女性スタッフを見つけると、2階のアル・ファイド氏のオフィスで働けるよう昇進させた。暴行はハロッズのオフィス、アル・ファイド氏のロンドンにある邸宅、あるいは海外旅行先で行われ、しばしばアル・ファイド氏が所有していたパリのリッツホテルやヴィラ・ウィンザーの敷地内でも行われた。ハロッズの元従業員によれば、そこで何が起こっていたかは明白だったという。ジェマさんは2007年にアル・ファイド氏の個人秘書として働き始めた。彼女はアル・ファイド氏が所有するフランスの別荘で性的暴行を受けた。事後、アル・ファイド氏はベッドから起き上がり、デトール(消毒液)で体を洗うよう求めたという。ジェマさんは「彼は私と接触した痕跡を消したかったのです」と語り、「私は死んだ人間を恐れながら生きてきた。彼はそれほどの権力を持っていた。もうこの世にいない人間だが今も恐怖で震えている」と語った。
アリスさんは16歳の時にアル・ファイド氏から性的暴行を受けた。1995年、アリスさんはアル・ファイド氏のふるまいをジャーナリストに語ったことがある。すると後日、アル・ファイド氏の警備責任者を名乗る人物から電話があり「記事に関与するな。我々はお前の両親がどこに住んでいるか知っている」と脅されたという。ハロッズの人事部は何が起きているか把握していながら若い女性スタッフを売り場からアル・ファイド氏のオフィスに異動させる役割を担っていた。「私たちは皆、『かわいそうに、今日はあなたなのね 』と思いながらドアを通っていく彼女たちの後ろ姿を見送った。誰も止められない。全く無力だと感じていた」と振り返る。アリスさんはBBCのインタビューに応じるまで自分の経験について語ることはなかった。これは被害者たちの多くが同様の恐怖に囚われてきたことを物語っている。それが何年も告発をためらわせてきた理由だ。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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