■英国のアフタヌーンティーの主役のひとつといえるスコーン。このスコーンに欠かせないクロテッドクリームとジャムだが、スコーンに塗るのはクリームが先かジャムが先か―英国では1500年代初めから熱く議論されてきた。この論争にそろそろ決着をつけられないかと「デイリー・メール」紙が3人の科学者に意見を求めた。

クロテッド(clotted)は凝固と言う意味。生乳を蒸気や水浴で間接的に加熱し、浅い鍋に入れてゆっくりと冷やした濃厚なクリームを、一般に「クロテッドクリーム」と呼んでいるわけだが、2大生産地のうち、イングランド南西部のデヴォンでは「デヴォンシャークリーム」と呼び、お隣のコーンウォールでは「コーニッシュクリーム」と呼ぶ。
現地のカフェで「どっちも同じクロテッドクリームでしょ」なんて言ってはいけない。たちまち店内の空気は凍り付き、赤子泣き、犬吠え、人々は敵意の眼差しをあなたに注ぐ(嘘です)。彼らにとって「デヴォンシャークリーム」と「コーニッシュクリーム」は全くの別物。おまけにデヴォンではスコーンに塗る際はデヴォンシャークリームを先に塗ってその上にジャムを塗るのが正式な作法。一方コーンウォールではその逆。まずジャムをスコーンに塗ってからその上にコーニッシュクリームをのせる。
デヴォンの人々は、「クロテッドクリームはバターのような役割を果たすため、先に塗るべき」と主張する。一方、コーンウォールの人々はクロテッドクリームをホイップクリームのようなトッピングと見ているため「最後にのせるべき」と考えている。英国中のアフタヌーンティー愛好家は、コーンウォールとデヴォン、どちらの味方についたらいいか分からず500年近く右往左往し続けている。
2015年4月、選挙の応援でデヴォンの某カフェを訪れた、時の首相デヴィッド・キャメロン氏はデヴォン式とコーンウォール式を間違えただけでなく「でも、どうせ同じ味がしますよね?」と言っちゃった。たちまち店内の空気は凍り付き、赤子泣き、犬吠え、人々は敵意の眼差しを首相に注いだ。これを地元紙が報じると「首相を再教育せねば」と非難する声が殺到。デヴォンの保守党員を窮地に立たせた。多少盛ったけど、これは本当にあったお話。クリームが先か・ジャムが先かという問題は、地元の人々にとって軽く考えることなど到底できない問題だということを示した好例だといえそうだ。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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