海岸線の侵食進む…イングランド最古のゴルフコース、水没の危機

■ 海岸の侵食が限界を越え、イングランド最古のゴルフ場の一部が数週間以内にもアイリッシュ海に飲み込まれる可能性があるという。「デイリー・メール」紙(電子版)が報じた。
写真:©Royal North Devon Golf Club

 コース消滅の危機にあるのはイングランド西部、デボン県北部の村、ウエストワード・ホー!(Westward Ho!)の海岸線にある名門、ロイヤル・ノース・デボン・ゴルフクラブ(Royal North Devon GC)。ゴルフの聖地、セント・アンドリュース出身で近代ゴルフの父と称されるトム・モリスによって設計され、1864年に完成。現存するゴルフコースとしてはイングランド最古のコース。近年、ゴルフワールド誌によって「一度はプレーすべき世界の100コース」のひとつに選ばれた。羊やポニーが草を食むのどかな風景は、ゴルフをしない近隣住民にとっても古くから憩い場となっている。
 同コースは今年1月に襲来したエレノア暴風(Storm Eleanor)によって7番のグリーンと8番のティーグラウンドの一部が海に飲まれた。さらなる侵食の危機に瀕しているのは7、8、9番の3ホールだが、特に7番ホールはすべてが水没する可能性があるという。
 コースマネージャーのマーク・エバンズ氏(55)は「次の高潮が危険だ。154年の歴史を誇るクラブの歴史がアイリッシュ海に飲み込まれてしまう」と危機感をあらわにする。「埋め立てこそが唯一、ゴルフ場を救う方法だと行政に言い続けてきた。数年ごとに何らかの侵食が起こっているが、ここ数年の侵食は特に激しい。これ以上進めばもはや我々にできることはなくなる。今やらなければ将来、もっと大きな予算が必要になる」と訴える。
 同海岸線は英環境省下部組織「ナチュラル・イングランド」の管理下にあり、現在救済に向けての話し合いが持たれている。

トム・モリス
1821~1908年/通称、オールド・トム/全英オープンを4度制したゴルフの名手。最後に全英オープンを制した時は46歳であり、これは今も最年長記録として破られていない。晩年はミュアフィールドやロイヤル・ドーノック、ウエストワード・ホー!など数々の名門コースのデザインを手がけ、ゴルフの世界に巨大な足跡を残した。1908年没。享年86。

by 週刊ジャーニー(Japan Journals Ltd, London)

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