VOL.
34
夏目漱石
81 The Chase, London SW4 0NR
「吾輩は猫である」「坊ちゃん」など、数々の名作を残した文豪、夏目漱石。漱石は1867年、江戸(現在の東京)の牛込から高田馬場一帯を治める名主、夏目家の末っ子として誕生。帝国大学(現在の東京大学)に入学して英文学を専攻、首席で卒業した後、高校の英語教師になった。1900年、33歳のときに勤務する高校からの推薦を受け、第1号となる文部省の国費留学生の一人として、ロンドンへ渡った。
上の写真は、漱石が約2年1ヵ月という留学生活の大半(約1年4ヵ月)を過ごした家。家賃の問題や同居する大家との不和などから、4回も引越しを繰り返したが、この家を一番気に入っていた。彼の部屋は裏庭に面した3階で、1901年7月20日から帰国当日の1902年12月5日まで滞在した。
夏目漱石と倫敦の769日
週刊ジャーニー No.1054(2018年9月27日)掲載