4年も沈黙するビッグベン…高額ヘッドホンを買えば問題解決!?

 ビッグベンの愛称で親しまれ、ロンドンの象徴的存在のひとつといっても過言ではない、国会議事堂の時計塔「エリザベス・タワー」。2900万ポンドをかけた大規模な補修工事が始まり、21日正午をもって大時計の鐘が4年間沈黙することになったニュースは既にお伝えしたとおりだ。
 しかし、補修工事に賛成したはずの当の国会議員たちからも強い抗議が寄せられるに至っている。
 1859年の完成以来、過去に2度、補修工事のために短期間停止したことがあったものの、4年という長期に渡って鐘が鳴らされないのは今回が初めて。第二次世界大戦中、ドイツ空軍から激しい爆撃にさらされた時でも鐘が鳴りやむことはなかっただけに、大問題に発展している。
 大時計は15分毎に短く鳴り、1時間ごとに時刻にあわせて鐘の音が大きく響く。鐘は間近で作業する人々の聴覚に甚大な被害を及ぼす可能性があるという専門家からの指摘をうけて、今回の措置が決定された。耳栓をつけての高所での長時間労働は危険を伴うため鐘の停止はやむなしと説明されている。
 作業が完了するのは2021年とされ、約4年にわたって鐘は黙り込むが、新年を迎える瞬間と11月11日の戦没者追悼日(Remembrance Day)は特例に鐘が鳴らされる予定という。
 今回の大規模な補修工事は、老朽化が進む国会議事堂にとって必要不可欠なもの。国会議員の支持のもと、「GOサイン」が出たはずなのだが、「4年間も鐘の音が聞かれなくなる」ということは知らされていなかった、と強い批判が巻き起こっている。
 ビッグベンは、タワー・ブリッジやバッキンガム宮殿などと並ぶ、ロンドンにとって格別に大切な観光資源。鐘が鳴らないということで、観光客の減少を招くかもしれないと、極端な懸念を口にする議員もいる。
 「1週間に1度は鳴らすべきだ」「工事人が現場を離れる午後5時から翌朝9時までは鳴らしてもいいのでは」といった意見のほか、時計塔の補修に、そもそもなぜ4年もかかるのかという、不満の声も聞かれている。
 さらに、ドイツやロシアなどにある、同様の時計塔の補修工事がいかに短期間、かつ低予算で行われたかを比較するメディアも登場。また、鐘の音をおさえつつ、隣で話す人の声は聞き取ることが可能という、ひとつ500ポンドの特別なヘッドホンの購入も提案されている。
 今後のことは夏休み後に協議されることになるが、静かなるビッグベンをめぐる騒動はしばらく続くことになりそうだ。

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