総選挙でまさかの敗北を喫し、過半数割れという事態を招いたテリーザ・メイ英首相が下院の過半数を固めるため北アイルランドの民主統一党(DUP)と進めてきた閣外協力の協議が26日、最終合意に達した。下院で行われた施政方針の採決は賛成多数で承認され、ようやく新政権が発足した。
メイ氏率いる与党・保守党は、総選挙で、当初の圧勝予想を裏切る結果となり、保有議席を318に減らし、過半数(326)を下回った。どの政党も過半数を下回るハング・パーラメント(中ぶらりん議会)となったため、過半数勢力を形成するため10議席を保有するDUPと閣外協力の道を模索してきた。
DUPが見返りに得たのは、北アイルランドへの新たな10億ポンドの経済支援(支払いは2年に分ける)。かわりにDUPが国内問題や欧州連合(EU)離脱交渉方針などの重要法案で保守党を支持することなどで最終合意に達した。
10億ポンドの主な内訳は次の通り。
*400万ポンド…インフラ整備。高速道路に新しいインターチェンジを設けるなど、高速道路のレベルアップ。
*300万ポンド…医療、教育分野の現状改善。
*150万ポンド…遅れているインターネットのインフラ施設の拡充。「超高速」のネット環境を目指す。
*100万ポンド…福祉の充足。
*50万ポンド…メンタル・ヘルスへの積極的な取り組み。
ギャンブルに失敗したメイ氏の尻拭いを納税者がさせられた形といえる。
DUPは、北アイルランドが連合王国にとどまることを主張する「ユニオニスト」からなり、強硬派として知られた故イアン・ペイズリー氏主導のもと1971年に発足。基本的には保守系で、EU離脱、トライデント(核弾頭装備の潜水艦発射弾道ミサイル)保持など、政策的に保守党と似通う主張を掲げる分野もある。
しかし、LGBT(女性、および男性の同性愛者、両性愛者、性同一性障害の人を含むトランスジェンダーといった性的少数者)に対しては否定的で反同性婚、また中絶についても反対の姿勢を示すなど、保守党と相容れない部分も見られる。
さらに、現在は「小康状態」を保っているに過ぎない北アイルランド問題が、政府が片側と組むことにより、激しく再燃するのではないかと懸念されている。
連合王国にとどまることを主張するユニオニストと、連合王国から離れ、南のアイルランド共和国との統一を目指すリパブリカンとの対立は、多くの犠牲者を出してきた。抗争が活発化し再び血が流されることのないよう祈るばかりだ。
























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