人は水なくしては生きてはいけない。毎日、口にするものだけに、空気と同じでできるだけ「きれいな」ものを求めるのは当然といえるだろう。いまや英国ではボトル入りの水は、売上高が25億ポンドという巨大市場に成長。各メーカーがヒット作を生み出そうとしのぎを削っている。しかし、多くの商品が品質的に「水道水と大差なし」であるのが実情だとする記事を「デイリー・メール」紙が掲載している。
具体的にやり玉に挙がったのは、コカコーラ社が2年前に販売を始めた「スマートウォーターSmartwater」。米国では、女優のジェニファー・アニストンさん、英国では歌手のカイリー・ミノーグさんをコマーシャルに起用。イングランド北部、ノーサンバランドのモーペスの湧水を2度フィルターにかけ、いったん全てのミネラルや、「不純物」を取り除き、改めて電解塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどを加えたとする商品だ。
600ミリリットル入りで57ペンス。1時間に1万8000本もの「スマートウォーター」がボトル詰めされ、2190万ポンドの売上げを誇る。しかし、このほど英国の「British Dietetic Association」が下した評価は、「水道水と変わらぬ品質」。
コカコーラ社に限らず、メーカーは消費者の心をつかもうと多様な販売戦略をとっている。近ごろは、ココナツやカバの樹液などを使ったものも人気が高い。いずれも330ミリリットル入りで2ポンド以上と結構な値段だが、それに見合った健康効果が得られるのかは科学的に実証されていないのが現状だ。
ついにはボトル1本で26ポンドという商品まで登場。カナダ北部のニューファンドランド沖で、氷山からとりこんだ氷を自然に溶かしてボトル詰めしたとされ、この氷は1万年以上前にできたものと説明されている。
1リットルあたりの価格を比較すると、ガソリン(1ポンド10ペンス強)より高い、こうした水は、単に「ファッション」にすぎず、お金の無駄遣いだとする研究者たちの嘆きの声が聞かれるものの、ボトル入りの水への「信仰」をとめることはできなさそうだ。
























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