英国特有の税金制度として、「ビジネスレート(business rate)」と呼ばれるものがある。事業用資産(店舗、事務所、倉庫、工場など)に対する固定資産税のことで、事業形態や規模、職種によってレートは異なる。
このビジネスレートについて、来年の4月からロンドンの中心部ではその額がひどいところでは2倍になることが明らかになり、衝撃が広がっている。「イブニング・スタンダード」紙が報じた。
税率が大幅に上がるのは、ボンド・ストリート、メリルボーン、ブリクストンなどいずれもロンドンの中では人気の高いエリアで、ショップやオフィスは悲鳴をあげている。
ショップが軒を連ね、劇場が多く集まるウエスト・エンドも60~80%の税金アップが予定されている。例えば、ボンド・ストリートに大型店舗を構える、米国発の高級ランジェリー・チェーン「ヴィクトリアズ・シークレット」では、年間の税額155万ポンドが来年には233万ポンドに、2018年には300万ポンドにも跳ね上がることが判明。
ビジネスレート増額の合計金額は1億2500万ポンドにも達すると見積もられているが、多くはロンドンをすどおりし、国庫に直接納められることになるという。
逆に税率が下げられる、「運の良い」エリアもある。小売業の不振がより深刻なバーネットやエンフィールドは25~32%、税額が減らされる見込み。
ロンドン市長のサディク・カーン氏は今回の政府の決定を受けて「あまりにひどい。EU離脱の投票結果によるショックから必死に立ち直ろうとしているロンドンで、多数の企業・店舗に厳しすぎる仕打ちだ」と激しく批判。
ロンドンでビジネスを展開する企業、店舗、あるいは大家からも「ロンドンはすでに莫大な貢献を国家に果たしてきているのに、政府はさらにしぼりとろうとするのか」と嘆きの声が聞かれている。来年から本格化するEU離脱交渉を前にこの決定をつきつけられ、首都ロンドンは前途多難というしかない。
























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