6/15 ファッション感覚!増加する絶対菜食主義者

 英国では近年、肉だけでなく魚、乳製品も摂取しない厳格な食事制限をする「絶対菜食主義者(ヴィーガンvegan)」になる人が急増している。イングランド、ウェールズ、スコットランド全体では絶対菜食主義者の数はこの10年で350%と大幅に増加し、現在50万人に上ると見られる。しかし、安易な絶対菜食主義の流行は深刻な健康被害を招きかねないと警鐘が鳴らされている。「デイリー・テレグラフ」紙が伝えた。
このほど、1万人を対象に行われた調査の結果、絶対菜食主義者を含めた菜食主義者の数は、英国全体で168万人と推定されることが分かったという。
 しかし、菜食主義者のハリウッド女優グウィネス・パルトローさんをはじめとする、人気のフード・ブロガーたちが発信する情報に触発され、「ファッション感覚」で絶対菜食主義者になる人も多いことが問題視されている。
 絶対菜食主義の振興団体である「Vegan Society」は「これほど多くの人が絶対菜食主義者になったのは素晴らしいこと。絶対菜食主義は動物にも地球にも健康にも最善の道」であるとして、この状況を歓迎している。
 しかし、英国栄養士組合の代表であるキャサリン・コリンズ氏は昨今の絶対菜食主義ブームを「食生活の『新・純粋主義』」と形容し、「人々は絶対菜食主義にもとづく食生活を純粋で混ざりもののない理想的なスタイルだと考えている。グウィネス・パルトローがザクロをボウル一杯食べているのを見てお洒落だと感じ、それを真似したがっている」と、ファッション性を求めて絶対菜食主義になる人が多い風潮を批判。「絶対菜食主義であることは長期的には体に良くない」と安易な絶対菜食主義への傾倒に懸念を示している。
 同氏は、絶対菜食主義では、食事から十分なたんぱく質やビタミンB12、カルシウムなどの栄養素をとることができず、健康被害を招くリスクがあると指摘。特に妊娠中の女性が絶対菜食主義の食事を続けると、胎児の健康を脅かす恐れがあるという。
 コリンズ氏はさらに「宗教的理由から絶対菜食主義を選んだ人たちは、どうやって足りない栄養素を補えばいいかを理解して実践していることが多い。しかし昨今では、ウェブ上で見た情報に触発されて突然絶対菜食主義者になるケースが少なくない」と、十分な知識を持たないまま絶対菜食主義者になる危険性について語っている。