イングランドにある病院の半数が、駐車場代で年間最低でも100万ポンドの収入を得ていることが調査で明らかになった。ある病院では患者、付添い人、スタッフらが払う駐車料金および罰金は年300万ポンドにも及ぶという。「デイリー・メール」紙が伝えた。
この駐車料金から得られた利益はNHS(英国民医療サービス)の運営費に使われると政府は説明しているが、実際にはは駐車場を経営している企業に多額の金が流れていることが判明。実際、少なくとも6つのNHSトラストにおいて、利益は100%、そうした駐車場運営企業の収入となっていると報じられている。
通信会社「Press Association」が入手した情報によると、駐車場からの収入が最も高額だったのはサザンプトン大学病院で、年間387万ポンド、次がオックスフォード大学病院の372万ポンドだという。
ウェールズとスコットランドでは、病院における駐車場の有料制度は6年前に廃止されているため、この問題はイングランドのみに限られる。住む地域によって、不公平が生じていることに対し、強い不満の声があがっている。
患者支援団体「Patients Association」は、この事態を「倫理的に間違っている」と糾弾。「駐車場の有料システムを続けているのは、イングランドのみ。これではまるで住所によるくじ引き、経済的に困っている患者にも容赦なく課される税金のようなものだ」と批判した。
がん患者支援団体「Macmillan Cancer Support」も、「(がん治療のように)頻繁な通院が必要な患者は、多額の余計な代金を支払っていることになる」とこの状況へ懸念を示した。
政府は、昨年秋に病院に対し患者の無料駐車を認めるよう通告を出したが、強制力はない。患者にとって、本来の目的である治療以外で支払いが発生するのは相当な負担。イングランドでも廃止に向けての声が高まることは避けられないと見られているが、この駐車場からの利益を頼りにしているNHSトラストがあるのも事実。政府からの補助金の増額が求められるものの、緊縮財政のもとでは容易ではなく、解決に向けての道のりは平坦ではないといえるだろう。

















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