公式統計によると、イングランドの病院の実に9割が、深刻な看護師不足に陥っているという。病院が必要な人員を確保できず、増える患者数に対応し切れていない実態に強い懸念が寄せられている。「デイリー・テレグラフ」紙が報じた。
王立看護学校の学長、ジャネット・デーヴィス氏は、NHS(英国国民医療サービス)は、病院の収容患者数は記録的に増えているかたわらで、慢性的な看護師不足は悪化するばかりであることを報告。緊急外来の順番待ちの患者数も増加しており、待ち時間はさらに長くなっている現状について説明した。
1000人の看護師を対象にした調査では、4分の3が患者に十分なケアをできないままになっていると回答していることが判明。
ある看護師長は、一人の看護師あたり22人の患者を抱えているような病院もある中で、ケアの質が劣悪化するのは避けようがないと訴えている。
「看護師が足りなければ、患者の要求に応えることは容易ではなく、看護・ケアのレベルの低下を招き、長期的展望にたった病院運営など無理」だとコメント。
すでにその弊害は数字にはっきりと現れている。ロンドンのセント・ジョージ病院とサウサンプトン大学が5年かけて行った共同調査によると、看護師不足が深刻な病院ほど、患者死亡率が高くなる傾向があることが明らかになった。患者死亡率が最も低い病院は、最も高い病院にくらべて24% も看護師の数が多いことが指摘されている。
看護師不足を補うため、より割高である派遣看護師を手配せざるを得ない病院が、経費の高騰に悩むケースも多く報告されている。英国では2020年までに看護師を1万人増やす目標をかかげ、無料の訓練コースを設けることなどを検討しているが、ただでさえ今までになく厳しくなっているNHSの財政状況を悪化させる可能性もあり、問題は山積みだ。

















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