10/1 ISISや移民問題が背景に―イスラム教徒への不条理な暴行が英国で急増

 

 英国内で「反イスラム」の動きが過熱している。ロンドンにも多くのイスラム教徒の一般市民が住んでおり、「反イスラム」を掲げる人々から攻撃を受ける事件が相次いでいる。

 先日、ロンドンのプレイストーでイスラム教徒の女性が道を歩いていたところ、突如背後から何者かに襲われ意識不明になるまで殴られるというショッキングな事件が監視カメラに捉えられた。この事件は氷山の一角に過ぎず、他にも、街中で暴力を受けたり、唾を吐かれたり、暴言を浴びせられたりしたというイスラム教徒からの被害報告も多くあがっている。

 ロンドン警視庁の発表によると、イスラム教徒に対する、こうした暴力行為は今年の6月までの1年で406件から800件とほぼ2倍に増加している。また、宗教、人種の違いから生まれる差別が根底にある事件の数は、昨年と比べるとロンドン内で9965件から1万2749件と28%も増加。この背景には、イスラム過激派組織「ISIS」の活動やヨーロッパが抱える移民問題など、社会的不安が大きく影響していると見られる。

 9月7日放送のBBC1の時事番組「Inside Out: Behind the Veil」では、被害者たちによる証言が取り上げられた。被害者は警察沙汰になるのを恐れて届け出ないため、実際の被害件数はさらに多いと見られている。被害者の1人、31歳の女性「仕事に行く途中、ある男性が私に殴りかからんばかりの勢いで向かってきた」と恐怖の体験を語っている。その男性は、イスラム教女性がかぶっているベールを見た瞬間に激昂したようで「『お前たちは中東でキリスト教徒を殺している』と怒鳴ってきた」という。

 一方、「反イスラム」の攻撃の対象にされた若いイスラム教徒は、不条理な社会への不満や怒りから、中東への兵士斡旋者からターゲットにされやすくなっているとの指摘もある。

 イスラム教徒であるというだけで、無実の市民がいわれのない暴力・暴言を受けるのはあってはならないことだが、様々な社会問題と絡んでいることもあり、解決の糸口を見つけるのは困難をきわめると言わざるを得ない。

 

 

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