大学を卒業するものの、経済的に自立することが難しく、親元に戻ってくる若者世代のことを英国では「ブーメラン世代(boomerang generation)」と呼ぶ。その数は約20年前に比べ20%も増加し、親世代へのしかかる経済的負担と、親子間の軋 轢が問題になっている。「デイリー・メール」紙が報じた。
英国家統計局(ONS)の統計によると現在、20歳~35歳までの男性200万人、女性100万人が両親と同居するブーメラン世代だという。
借金問題を扱う団体が行った調査で、こうしたブーメラン世代の子供に対し、多くの親は家に生活費を入れることを求めず、たとえ求めたとしても一般的な相場よりもはるかに低い金額しか請求できていないのが実情であることが判明。8割の親が子供の日用品を購入し、6割が毎日夕飯を用意していることも調査では明らかになった。
専門家は、子供が同居することで家計の負担が増し、約3人に1人の親は借金に直面する状況に陥っていると指摘。しかし『唇を引き締め、くじけない(stiff upper lip)』ことが美徳とされる国民気質が災いしてか、子供にお金の問題を切り出せない親が多いと見られている。
しかし、口に出せないだけで、ブーメラン世代の身勝手さに親は『ウンザリ』というのが本音のようだ。「ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス」が27世帯を対象に行った詳細な聞き取り調査によると、子供よりも親の方が同居に関しては否定的な感情をもっていることが分かったという。大人として扱って欲しいと要求する一方で実際の生活においては親に頼りがちなブーメラン世代の矛盾した態度に辟易している実情と報告されている。
ただし、インドやパキスタン系の家族は親子ともに同居することを幸せと感じる傾向にあることも調査では明らかになった。これは、子供は大学進学時ではなく結婚を機に家を出ることがあたりまえとみなす慣習が背景にあると考えられる。
日本では「パラサイト同居」という言葉がしばしば聞かれるが、英国でも日本でもこの問題が改善されるのはまだまだ先のことのようだ。

















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