6/4 NHS順番待ちに嫌気―6万5千人が手術を受けるために海外へ

 イングランド国内だけでも約1万2000人が手術は最低6ヵ月待ちという英国の医療サービス(NHS)事情。そうした状態に耐えかね、手術を受けるために国外へ渡航する人が急増しているという。「デイリー・メール」紙が報じた。

 英国家統計局(ONS)の報告によると、2013年だけで少なくとも6万5000人が医療手術を受けることを目的に渡航。その数は10年前の3万2000人に比べ約2倍に上るという。

 医療目的の旅行手配に携わる企業では、渡航者数増加の背景には近年、白内障や人工股関節置換手術、不妊治療などの需要の高まりがあると説明。これに加え、NHSによる手術の『順番待ち』が長くなる一方であること、しかも居住地域によって、その順番待ちの長さに差があるという不公平きわまりない現状があると指摘されている。

 渡航先として、白内障ではポーランド、不妊治療ではスペインの人気が高いとされている。また、若い女性の間では美容整形手術を受けるために海外を選ぶ人も少なくない。特にタイやトルコでは、豊胸や脂肪吸引手術が安価に受けられるとして、渡航する人が増加中。こうした温暖なリゾート地で、実際の休暇と組み合わせて手術を受ければ、術後に安静が必要な場合なども安心。さらに、帰国後、余計な詮索を受けずに済むこともメリットの一つとされているという。

 順番待ちが8ヵ月ときいて、白内障の手術を受けるためにポーランドを訪れたバーミンガムのバリー・ウィルソンさんは「最初は手術のためにわざわざ国外へ出向くなんて、と気後れしたが、結果には満足しているしまた何かあれば治療で訪れたい」とコメント。費用も渡航費込みで1000ポンドに満たなかったと報じられている

 ただ、専門家によると海外で受ける手術の大半は美容目的であるのが現状で、海外で治療を受けることに対する認知度の高まりが背景にあると分析されている。

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