英国とドーバー海峡をはさんだ向かい側に位置するフランスのカレー市には、海を越えて英国への密入国を試みる人々が続々と集まってくる。英国の寛大な社会福祉制度や、難民受け入れ制度がこうした不法移民を引き寄せているとして、カレー市の市長などが英国側に対策を講じるよう求めているが、有効な手立てはいまだに打ち出せていない。「デイリー・テレグラフ」紙が報じた。
「英国では週36ポンドが生活保護費として難民申請者や移民に受給される。この寛大な福祉制度は、何も持たぬ々にとっては『宝の山』に等しく、みな英国を『黄金郷』と思い海を渡ろうとする」とカレー市のナターシャ・ブシャート市長は昨年10月に発言。同氏は、「英政府は、移民たちのこうした思い込みは誤りだとするメッセージを送れていない」と強く批判している。
英国への密入国を意図してカレー市に集まる移民のほとんどはアフリカ出身者だという。その数は月に3000人ともいわれ、過去3年のあいだに4倍に増加。これに伴い密入国を斡旋するブローカーの暗躍やトラブルも増加、治安悪化の原因となっている。また、密入国に失敗して命を落とすものも少なくなく、分かっているだけでも、昨年は15人の違法移民が亡くなった。
首相官邸の広報官は「非EU圏からの移民は1988年以降最低の数字にとどまっている」とし、「これまで英国政府はカレー市の安全強化と警備への設備投資に1200万ポンドを投じてきた」と反論しているが、英政府による取り組みは奏功していないことは明らか。今年も、命がけでドーバー海峡を渡ろうとする移民たちと、フランス/英国当局との激しいせめぎあいは続くと見られている。

















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