10/17 看護師の汚い字が原因で、命を落とす患者が後を絶たず…

 看護師の汚い手書き文字や単純な計算ミス、患者への不充分なモニタリングにより、毎年数千名にものぼる患者が命を落としているという衝撃的な事実が、調査により明らかになったことを、「デイリー・メール」紙が報じた。

 未だに多くの病院では、心拍数、血圧などの数値をベッドの枕元近くにあるボードに看護師が手書きで書き込んでおり、それらを記録する間隔は時に8〜12時間も空くこともある。また、手書きの汚い文字は書いた本人以外の人が判別するのが時に難しく、記録すべき数値の見落としにつながるなどし、最悪のケースでは患者の命にかかわる危険な事態を招いていると指摘されている。

 看護師の手書き文字や、経過の観察不足が原因で死に至った患者は、主に肺炎や感染症で入院していた高齢者に多いとされ、様態の変化に気づくのが遅れたことが命取りとなっている。

 ポーツマスにあるアレグザンドラ病院と、コベントリー大学病院では、今まで手書きで記録していた患者の心拍数や呼吸などの記録をiPadやiPhoneなどの電子機器に記録する方法に変更したところ、両病院の死亡率は平均で15%も減少したという。

 試験的に支給されたiPadとiPhoneには患者の心拍数などの数値を分析する専用のアプリがインストールされ、次に記録が必要な時間も知らせてくれる仕組み。また、入力した数値の変化により、患者の様態が悪化しているとアプリが判断すれば、スクリーンが点滅し、医師に連絡するよう警告もしれくれるという非常に頼りになるアプリだ。

 このiPadとiPhone支給をNHS全体で実施すれば、死亡者数は年間で3万7000人も減少するとの試算もなされている。

 今回のプロジェクトに参加したコベントリー大学病院のダンカン・ワトソン医師は「進んだテクノロジーは数値を記録するという、簡単だが重要なルーティーンをより確かに実施するための手助けとなり、『患者の世話』という人間の手によってのみなし得る仕事の効率をあげるのに大いに役立っている」とプロジェクトの成果を力説している。

 こうした記録の電子化にかかる費用は、中規模の病院で約50万ポンド。すでに40の医療機関の少なくともひとつの診療科で採用されているが、浸透させるにはさらなる予算が必要。またテクノロジーによって効率が上がるのは歓迎すべきことだが、電子機器に頼り切ってしまうことのへの不安も拭えないとの声も聞かれている。

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