英国においてパスポート発行の任を担う「HM Passport Office」の最高責任者であるポール・ピュー氏が、このほど、パスポートの発行遅延件数が50万件近くにも達している現状について謝罪の意を表明した。本格的な休暇シーズンを前に、この深刻な状況を招いた内務省が窮地に立たされていることを、各メディアが報じている。
毎年春頃になると、夏のホリデーを控え、パスポートの新規発行または更新を申請する人が急増するため、他の時期よりも発行に時間を要するようになるのは例年見られてきた状況。ところが、今年は処理待ちの申請件数が尋常でない数になっているという。
昨年の3月時点での発行待ちのパスポートは7万2586件だったのが、6月には14万6939件と増加した。これに対し、今年3月16日時点における遅延件数は既に28万9892件を数え、6月8日には49万3289件と激増、多くの人々がイライラしながらパスポートの到着を待ちわびている状況が浮き彫りになった。
通常なら新規パスポートの発行には6週間、更新には3週間を要するとされているが、発行されるまでに2ヵ月もの時間を要したケースも報告されているという。
申請処理が大幅に遅れている主な原因として、政府は否定しているものの、過去4年の間に550人ものリストラが行なわれたことが指摘されており、起こるべくして起こった問題といえるだろう。
内務省では、250名を新たに投入、週7日体制で現状改善に躍起となっている。
今回の問題に対し、閣外官僚のヘレン・グラント氏は、パスポートの発行を待つ人々に対し「パスポートが間に合わなければ英国で過ごせばいいのでは? 英国で過ごす『staycation』もいいものよ」と、パスポートの発行を今か今かと待つ人々に対して、火に油を注ぐような発言をし、厳しい批判を浴びている。
なお、パスポート発行遅延により、休暇旅行をキャンセルせざるを得なくなっても旅行保険では補償の対象にならない。郵送で更新申請を行い、既に3週間以上たっている場合で、休暇旅行の出発日が7日以内に迫っている人に限り、『緊急対応』の対象としてもらえるとのことなので、まずは「Passport Office」に電話し、いかに急いでいるかを訴えるしかないようだ。

















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