島国である英国に入国する場合、空港か港を使うのが一般的(港を使わない密航者もいるようだが)。飛行機や船で英国に入ろうとする人々の対応にあたるのは、内務省所属の公務員である入国審査官だ。審査官たちはパスポートを精査し、その人物に英国への入国・滞在を許可すべきかどうか判断を下すことになっている。
船でフランスから英国へ渡る場合、船に乗り込む前にこの入国審査が行われるのだが、最も忙しい港はカレー港で、入国審査官の仕事量も多いといえる。しかし、いくら「仕事量が多い」といっても、職務内容はパスポート審査。それほどの『激務』とは思えない…ところが、このカレーで働く審査官を中心に、ここのところ、国を相手取って損害賠償を求めるケースが増えているという。「デイリー・メール」紙が報じた。
損害賠償を求めているのは、連日、入国審査を長時間続けて行ったために、肩や腕のひどい痛みに苦しめられるようになったと主張する審査官たち。「カレー肩」と皮肉をこめて呼ばれる症状で、すでに2人の審査官は2万ポンドずつ、賠償金を受け取ったと報道されている。
訴えを起こした審査官たちの弁護を務める弁護士事務所「Simpson Miller」のミシェル・ローズ氏は、「緊縮財政のあおりをうけ、内務省でも各部署で大幅なリストラが行われた。この結果、残った入国審査官たちの仕事量が劇的に増えた」と説明。
米国の『訴訟文化』が英国にも蔓延していることを改めて認識させる事例といえるだろう。ちなみに、警察内でも、昨年、国に対して行われた損害賠償請求に対し、支払われた金額は総額2000万ポンドにも上るという。内務省についても、今後、国に対して勝利をおさめる審査官がさらに現れそうだが、納税者として「馬鹿げている!」と怒りを覚えずにいられないのは筆者だけ?

















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