最近ではデジタル化された音声になったものの、かつて、ロンドン地下鉄の駅では、美声の男性による「Mind the Gap」というアナウンスが流れていた。エンバンクメント駅のノーザン・ライン、北行きのプラットフォームでは、デジタル化が遅れ、昨年11月まで、この1950年代後半に録音されたという音声が流れていたという。
このアナウンスは、俳優の故オズワルド・ローレンスさん=写真右=によるもの。病死したローレンスさんのアナウンスが聞かれなくなたことを悲しむ、未亡人からの手紙がきっかけで、この声が同駅の同プラットフォームでのみ『復活』することになった。「デイリー・メール」紙が報じた(写真は「デイリー・メール」紙より)。
ローレンスさんは、17歳の時に英国王立演劇芸術院に入り、以降、様々な映画やテレビドラマに出演したものの、ローレンスさんにとっての一番の『出世作』は、「Mind the Gap」の録音音声だったという。
GP(地元医)のマーガレット・マッコラムさん(65)=同左=が、ローレンスさんに出会ったのは、1992年。ローレンスさんがガイドを務めたパッケージ旅行に参加した時のこと。ヒースローから飛び立った飛行機の中で、マッコラムさんは、後ろの席から聞こえてくる美声に魅せられたという。2人はお互いにひかれあい、11年間の交際を経て、2003年に結婚。幸せな結婚生活を送っていたが2007年、ローレンスさんは、長い闘病生活の後、逝去した。
マッコラムさんは、「私は地下鉄でいつでも彼の声を聞くことができる」と、夫の他界後もエンバンクメント駅のプラットフォームのベンチに腰掛け、何度も電車をやり過ごし、ローレンスさんの声を聞いていたという。しかし、昨年11月に、ロンドン地下鉄はローレンスさんによる録音アナウンスの放送を取りやめ、デジタル録音に完全移行。
マッコラムさんがロンドン交通局に、ローレンスさんのアナウンスの録音を譲ってほしい、と手紙で依頼したところ、ロンドン交通局は快くこれを承諾、クリスマスの前に録音CDが送られてきたという。また、エンバンクメント駅では、再びローレンスさんのアナウンスメントが流されることになった。あなたも、エンバンクメント駅に行くことがあれば、北行きのノーザン・ラインのプラットフォームで、ローレンスさんの声に耳を傾けてみては?


















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