権力者が肖像画を依頼する際、美化して描かせることは驚くにあたらない。エリザベス1世(1533年~1603年)もその例にもれず、老いてからの肖像画=左は1592年ごろの作(同女王は59歳)=は、シワも少なく、若々しく描かれているのが普通。ところが、今回公開された肖像画=同右=は、同女王の顔がより『正直』に描かれていると話題を呼んでいる。「デイリー・メール」紙などが報じた(肖像画は「デイリー・テレグラフ」紙より)。
この肖像画は、英国ではなく、米国のワシントンDCにある「Floger Shakespere」図書館で公開されたもので、所有者でありノースカロライナ州にある「Elizabethan Gardens」の管理者のひとりでもあるトーマス・ヘロン氏は、「興味深い作品」だと話している。
チューダー朝期に画家として活躍したマーカス・ギーラアーツ・ジュニアが描いたとされ、エリザベス1世は62歳ごろと目される、この作品では、ごまかされることなくシワが描かれ、肌の色もくすんでいる。
写真がなかった当時、女王の健在ぶりを示すためにも、肖像画では若く描くことが一般的で、検閲も厳しかったと考えられているだけに、きわめて珍しいとされている。
ただ、当時のイングランド宮廷を訪れた者たちは、晩年のエリザベス1世について、高貴さとエレガントさをたたえていると評しており、その点は変わらず守られているといえそうだ。


















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