■英国で大学を卒業する学生の負担が、改めて注目されている。2025~26年度の統計によると、イングランドの学生が卒業後に返済を始める時点で抱える学生ローンの平均額は、4万7730ポンド(約950万円)となった。前年の約5万3000ポンドから減少したものの、依然として大きな負担となっている。各メディアが報じた。

イングランドとウェールズでは、学部の年間授業料の上限が現在9535ポンドで、2026年8月には9790ポンドへ引き上げられる予定だ。大学側は、授業料が長年据え置かれたことで物価上昇に対応できず、経営が厳しくなったことなどを理由に値上げを求めてきた。学生ローンは授業料に加え生活費も対象となるが、生活費向け融資は世帯収入によって金額が決まり、実際の生活費を十分に賄えないケースも少なくない。さらに近年は家賃も上昇しており、高等教育政策研究所によると、学生が3年間(スコットランドでは4年制が一般的)の大学生活を最低限の水準で送るには、授業料を除いて約6万1000ポンド(ロンドンでは約7万7000ポンド)が必要とされる。
一方で、大学進学の経済的なメリットは依然として大きい。2024年の政府統計では、大学卒業者の年収中央値は4万2000ポンドで、非卒業者の3万500ポンドを大きく上回った。ただし、物価上昇を考慮すると卒業生の実質賃金は低下傾向にあり、専攻による差も大きい。財政研究所の調査では、医学や経済学、法学などの卒業生は生涯収入が大幅に増えるが、芸術系や語学系では大学へ進学しなかった場合と収入がほとんど変わらない、あるいは下回るケースもあると指摘している。
また、教育支援団体「サットン・トラスト」は、大学進学は低所得家庭の若者にとって社会的上昇の重要な手段だと評価する一方、私立学校出身者との収入格差は依然として大きく、名門大学への進学機会を広げることが課題だとしている。学費や生活費の上昇で学生の負担は増すばかりで、進学の価値は将来の職業や専攻によって大きく左右される。英国では今後も、「大学は本当に投資に見合うのか」を巡る議論が続きそうだ。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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