■英国を代表する画家、デイヴィッド・ホックニー(David Hockney)氏が88歳で死去した。絵画だけでなく写真、版画、ステンドグラス、さらにはiPadを用いたデジタル作品まで幅広い表現に挑戦し、半世紀以上にわたり世界の美術界を牽引した存在だった。自宅で安らかに息を引き取ったとされているが、公式な死因は明らかにされていない。各メディアが報じた。
1937年、イングランド北部のブラッドフォードで生まれたホックニー氏は、幼い頃から絵を描くことに情熱を注いだ。奨学金を得て進学した学校でも美術以外の科目にはほとんど興味を示さず、「科学は苦手だが絵は描ける」と試験用紙に書いた逸話が残る。16歳で美術学校へ進学し、その後、ロンドン王立美術大学で才能を開花させた。1960年代、ポップアート全盛の時代に頭角を現したホックニー氏は、友人で画家のR・B・キタイ(RB Kitaj)氏から「自分の愛するものを描け」という助言を受けた。以後、その言葉を生涯の指針とし、文学や政治、そして自身の同性愛というテーマを率直に作品へ反映させた。
1964年には理想の光と自由を求めて米国のロサンゼルスへ移住。青空の下に広がるプールやモダンな建築物に魅了され、鮮やかなアクリル絵具でカリフォルニアの風景を描いた。なかでも代表作『ア・ビガー・スプラッシュ(A Bigger Splash)』は、飛び込みの瞬間に生まれた水しぶきを捉えた作品として広く知られている。2018年にはプールを題材にした作品が約7000万ポンドで落札され、存命の芸術家として当時の最高落札額を記録した。本人は人気の理由について問われても、「ただ愛するものを描いてきただけだ」と淡々と語ったという。
旺盛な創作意欲は晩年まで衰えず、絵画に飽きれば写真や版画、オペラ舞台のデザインへと活動の幅を広げた。独特の色彩感覚と絶え間ない挑戦によって、ホックニー氏は現代美術を代表する革新者として世界中の人々に親しまれた。チャールズ国王はじめ、多くの著名人からも追悼の声が寄せられた。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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