グレンフェル・タワー火災から9年…最大57人が起訴対象か

■2017年に発生した英国史上最悪レベルの集合住宅火災「グレンフェル・タワー(Grenfell Tower)火災」をめぐり、ロンドン警視庁は、最大57人の個人と20の組織が刑事責任を問われる可能性があると明らかにした。起訴の可否については、事故から10年となる2027年6月14日までに決定される見通しだ。「スカイ・ニューズ」ほかが報じた。

解体が進むグレンフェル・タワー(2026年5月撮影)。© Japan Journals Ltd

この火災は2017年6月14日、西ロンドンのノース・ケンジントンにある24階建ての高層住宅で発生し、72人が死亡した。第二次世界大戦後の英国で起こった住宅火災の中で、最悪のものとされている。警察によると、これまでに1人が逮捕後に保釈され、複数の関係者が事情聴取を受けている。想定される罪状には、企業過失致死、重大過失致死、詐欺、重大な安全衛生法違反、公務上の不正行為などが含まれる。

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グレンフェル・タワー火災はロンドン警視庁史上、最大かつ最も複雑な捜査となっており、これまでに約1億5000万ポンドが投入された。捜査員は数百万件の記録を精査し、数千件に及ぶ証言を収集している。

また、将来の裁判に備え、警察は火災の延焼状況を陪審員に説明するため、グレンフェル・タワーの縮小模型を約200万ポンドかけて「建設中」だという。火災現場となった元の建物は解体が進んでおり、証拠として利用することはきわめて困難とされている。

2024年に公表された調査報告書では、火災防止の機会が幾度も見過ごされ、消防安全よりも商業的利益が優先されていたと結論づけられた。特に、可燃性の外装材(クラッディング)が急速な延焼の大きな要因だったと指摘されている。遺族や生存者を支援する団体「グレンフェル・ユナイテッド」は、「責任追及までにすでに長すぎる時間がかかっている」と述べ、これ以上の遅延は容認できないと強調した。同団体は政府に対し、裁判所への十分な資源投入を求めるとともに、「正義のさらなる先送りは許されない」と訴えている。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)


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