■EU域外からの渡航者に対し、EUが導入した出入国管理システム「EES(Entry-Exit System)」による遅延や混乱が続いているなか、ギリシャに続きポルトガルとイタリアも、英国人旅行者に対するEES適用の免除を検討しているとの憶測が流れていたが、両国ともその予定はないことが分かった。欧州委員会が明らかにしたことを各メディアが報じた。

昨年10月から段階的に導入され、今年4月10日に本格稼働したEESは、EU域外からの渡航者に対し、指紋採取や顔認証といった生体認証を義務付けるもの。英国からの旅行者も対象となっている。この制度は、従来の手作業によるパスポート確認に代わり、90日間の滞在制限をより正確に管理する目的で導入されたが、出国時にも審査を受ける必要がある。
ギリシャでは、夏の観光シーズンに大規模な混乱が起きることを避けるため、事実上、英国人に対する指紋採取や顔認証を見合わせている。ポルトガル・イタリア両政府は、これまでも「英国人旅行者への免除を検討」とする報道を正式には認めていなかったが、このほど、それが明確に否定された形だ。委員会は、「ポルトガルとイタリア両当局は、いかなる国籍についても免除措置を取る予定はないと確認した」と述べている。
欧州委員会は「制度は概ね順調に機能している」と説明する一方、実際には空港で長時間の待機列が発生しているとの報告が相次いでいる。3月には、ミラノ・リナーテ空港で出国者に対するパスポート審査の大混雑が発生し、100人以上の乗客がイージージェットのマンチェスター行き便に乗り遅れたほか、ミラノ・ベルガモ空港でも、ライアンエアー利用客が同様の問題で搭乗できなかったことが報告されている。欧州委員会は、「ギリシャとは状況確認のため協議中」と説明。例外的な混雑時には特定の国境検問所で一時的に審査を緩和できるものの、「特定国籍に対する包括的かつ長期的な免除は認められていない」と強調した。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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