処刑された王妃、アン・ブリン…実像として別の肖像画の可能性が浮上

■ヘンリー8世の2番目の妻で、エリザベス1世を産みながらも反逆罪などの罪で処刑された王妃として歴史に名を残している、アン・ブリン(Anne Boleyn)。このイングランド王妃の実像をめぐり、新たな研究が議論を呼んでいる。各メディアが報じた。

© Royal Collection Enterprises Limited 2026 / Royal Collection Trust

アンは1533年にヘンリー8世と結婚し、後に女王となるエリザベス1世を出産した。しかし、男児を産むことはかなわず、姦通や反逆などの罪で告発され、1536年に処刑された。生前に描かれた確実な肖像画が残っていないため、その容姿は長年にわたり歴史家の関心を集めてきた。このほど、英ブラッドフォード大学の研究チームは、チューダー朝の肖像画コレクションに顔認識技術を適用し、これまで特定されていなかったアンの素描を発見した可能性があると発表した。

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今回の研究では、宮廷画家ハンス・ホルバイン(子)による素描集を対象に、顔の特徴を比較するアルゴリズムを用いて分析を実施。研究チームは、これまで「身元不明の女性」とされてきた素描がアンである可能性が高いと結論づけた。さらに、アンの親族や娘エリザベス1世の肖像と比較し、顔の類似性から「家族的特徴」が確認できたとしている。ただ、美術史の専門家からは懐疑的な声も上がる。ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーのキュレーターであるシャーロット・ボランド氏は、「確実な基準となる生前の肖像がない以上、断定は難しい」と指摘。また、美術史家のベンダー・グローヴナー氏は、この研究を「欠陥のある手法」と厳しく批判し、従来からアンとされてきた素描こそ本物だと主張している。

一方、研究を主導した歴史研究者カレン・デイヴィス氏は、「検証可能な証拠は検証されるべきだ」とし、技術の活用による新たなアプローチの重要性を強調する。アンの容姿をめぐる謎は、死から約500年を経てもなお人々の関心を引き続けている。専門家は「彼女の悲劇的な生涯そのものが、研究と想像力をかき立て続けている」と指摘しており、今後もさまざまな手法による検証が進むとみられる。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)


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