借り手に有利? 5月1日より賃貸物件の新法施行

■イングランドにおける住居の賃貸市場で、大規模な制度改革が始まった。近年で「最大の変化」とされる新法の施行により、固定期間付きの賃貸契約が廃止され、家主と借り手双方に大きな影響が出る見通しだ。各メディアが報じた。

5月1日より新たに施行された「借家人権利法(The Renters Rights Act)」によって、これまで一般的だった定期契約はすべて自動的に期間を限定しない契約へと移行。これにより借り手は、いつでも2ヵ月前に通知すれば退去できるようになった。一方で家主側も、正当な理由がない限り立ち退きを求めることができなくなり、いわゆる「理由なき退去」(セクション21)は廃止された。この変更により、家主の間では空室リスクへの懸念が広がっている。不動産業界団体は、入居者の審査をより厳格にし、契約時に長期的な意向を確認する必要があると指摘。特に学生向けなど短期入居が多い分野では、入れ替わりの増加を見込んだ運営が求められるという。

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政府は今回の改革について、家賃滞納など正当な理由がない限り退去を強制されない仕組みを整えた点を強調している。住宅相は「理由もなく家を追い出されることはもはや違法だ」と述べ、ホームレス増加の大きな要因の一つに対応したと説明した。慈善団体の分析では、毎月2000世帯以上が住む場所を失う危機から守られる可能性があるという。

さらに新制度では、家賃の値上げは年1回までに制限され、過度な負担増を防ぐ狙いもある。加えて、生活保護受給者や子どものいる家庭への差別禁止、ペット飼育の申請検討義務、提示賃料以上での入札の禁止、契約時の前払い家賃の上限設定なども導入された。一方で、カビなどの住宅問題に迅速対応を義務づける法の民間賃貸への適用時期は未定で、今後の課題として残されている。政府は「安全で安定した住まいを確保するための改革の一環」として、引き続き制度整備を進める方針だ。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)


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