■ロンドンのナショナル・ギャラリーは、新館の設計者として、隈研吾(くま・けんご)建築都市設計事務所を中心にしたチームを選定したと発表した。これは総額7億5000万ポンドにのぼる大規模再整備計画「プロジェクト・ドマーニ」の中核事業で、同館の創設以来、約200年で最大規模の変革となる。

今回の計画では、展示対象を1900年以降へと拡張。西洋絵画の通史を一体的に鑑賞できる施設を目指す点も大きな特徴とされている。2025年9月に始まった国際設計コンペには65件の応募があり、最終候補6組による審査を経て、同チームの案が最高評価を獲得した。審査委員会は、そのデザインを「模範的」と評し、革新性と美しさを兼ね備えつつ、既存のセインズベリーズ・ウィングとの調和や周辺環境への配慮が際立つと述べた。樹木や緑を取り入れた屋上庭園や公共空間の設計、レスター・スクエアとの連続性を生む外構計画、ポートランド石材の使用や段状構成による街並みとの調和、自然光の導入などが高く評価されたという。内部空間は簡潔で洗練された意匠とされ、アーチやヴォールトを取り入れた主階と、幾何学的な上階との対比により、既存ギャラリーとの連続性と新たな空間的多様性を両立する。また、気候変動対策や社会的価値の創出を重視した設計フレームワークも評価され、持続可能性と社会的貢献を長期的に実現する方針が明確に示された。
新館は現キャンパス最後の未開発地であるセント・ヴィンセント・ハウス跡地に建設される予定で、約30年前に拡張用として取得された同地には、現在ホテルとオフィスが入居している。理事長ジョン・ブース氏は、今回の計画がロンドン中心部の主要公共空間であるレスター・スクエアとトラファルガー広場を結びつける役割も果たすと期待を示し、資金面ではすでに3億7500万ポンドが確保され、世界的にも最大級となる寄付を含む支援が集まっている。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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