ケニアで新たな密輸問題…女王アリ、1匹170ポンドで取り引き!

■ケニアに生息するアリをめぐり、新たな密輸問題が持ち上がっている。女王アリが1匹最大220ドル(約170ポンド=約3万5000円)で取り引きされており、規制強化を求める声が強まっている。BBCが報じた。

© Kenya Wildlife Service

近年、特に問題になっているのが、ケニアのリフトバレー地方にある農業の町ギルギル周辺で行われている、女王アリを狙った違法採取だ。同地周辺では雨季に羽アリが群れで飛び立ち、交尾のために巣を離れる。この時期は女王アリを捕獲する絶好の機会とされ、密輸業者が地元の採集者から買い集める構図が形成されている。とりわけ大型で赤い「アフリカ・ハーベスター・アリ(Messor cephalotes)」の女王は人気が高く、1匹でコロニーを築いて数十年生きることから、海外の愛好家の間で高値で取り引きされる。小型の容器で郵送しやすく、検査で見つかりにくい点も密輸を助長している。

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2024年には近郊ナイバシャの宿泊施設で約5000匹の女王アリが押収され、欧州やアジアへの密輸計画が発覚した。その後も約2000匹を所持していた中国人が空港で逮捕されるなど、取り締まりは続く。背景には、透明ケースでアリの巣作りや行動観察を楽しむ「ペットアリ」人気の高まりがある。研究者によれば、中国では半年で5万8000以上のアリのコロニーが取り引きされ、その4分の1以上が外来種だったという。こうした種が野外に逃げ出せば、生態系や農業に深刻な影響を与える恐れがある。

また専門家は、女王アリの過剰採取がコロニー崩壊を招き、生物多様性を脅かすと警告する。ケニアでは許可を得た合法採集も可能だが、これまで申請例はなく、違法取引が横行しているのが実情だ。現在、国際的な規制は不十分で、アリはワシントン条約の対象にも含まれておらず、当局は監視体制の強化を急いでいる。一方、持続可能な形で資源化すれば、地域経済の新たな収入源になる可能性も指摘されている。空港での監視強化といった対策が急がれる中、この新たな密輸ビジネスを巡る議論は続いている。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)


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