■英国でトーストを食べる際の定番といえば、イチゴのジャムかマーマレード。日常生活の中でマーマレードはきわめて身近な存在として愛されている。ところが、英国政府が進めるEUとの新たな食品協定により、伝統的な「マーマレード」の表示名称が変更される可能性が浮上している。各メディアが報じた。

これまで英国では、1970年代に行われた働きかけにより、苦味のあるセビリアオレンジを使った柑橘系保存食品のみを「マーマレード」とし、それ以外の果物は「ジャム」と区別してきた。マーマレードは、パディントン・ベアの好物としても知られ、英国文化の一部となっている。しかし、このほどEU側が表示規則を緩和し、「マーマレード」の定義を拡大することが明らかになったのをうけ、英国は対応を迫られている。
欧州各国では、スペイン語の「メルメラーダ」やイタリア語の「マルメッラータ」が幅広く「果実ジャム」を指すなど、言語や慣習との違いが長年混乱を招いてきた。EUは英国の離脱後、この定義を見直し、非柑橘系の製品も「マーマレード」と呼べるようにしたのに伴い、柑橘系製品は区別のため「シトラス・マーマレード」と明示する必要が生じている。合意が成立すれば、英国はEUの新たな食品規則を再導入し、貿易促進と輸出手続きの簡素化を図る方針で、店頭では従来の「マーマレード」が「シトラス・マーマレード」として販売される見通しだ。
この新ルールはすでに北アイルランドで導入予定だが、政府はイングランドやウェールズ、スコットランドにも適用する可能性を示している。ただし、「イチゴのマーマレード」といった新たな表記が英国で認められるかは不透明で、消費者の混乱を懸念する声もある。伝統や認識を変えるべきなのか、そしてそれが可能なのかどうかは不透明で、マーマレードの定義と名称を巡る議論は今後も続きそうだ。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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