■ 原材料の希釈やすり替え、書類の改ざん、未承認の工程の使用など、食品不正は後を絶たない。検査する側の技術は進歩し続けているが、なぜ不正はなくならないのか。各メディアが報じた。

昨年の推計では、食品不正が世界経済に与えた損失は年間で約810億ポンドにのぼったとされる。標的になりやすいのは、乳製品のように日常的に消費される食品や、オリーブ油など高価な食品で、アルコール類、魚介類、食用油と並び、ハチミツも頻繁に偽装される。サトウキビ由来のブドウ糖シロップは、本物のハチミツの半額以下で入手でき、混入の手口として広く知られる。ハチミツは数百種の化合物を含む生物学的に複雑な物質であり、産地や種類も多様なため、瓶の中身が本当に特定地域のミツバチ由来か、米やトウモロコシ由来のシロップが混ぜられているかを見分けるのは難しい。国際的な定義さえ、統一されていない。見た目や味が本物と区別できず、化学分析をすり抜ける精巧な偽物もある。分析方法は複数あるが、単独で真偽を断定できる手段はまだない。
偽ハチミツは養蜂家の生計を脅かすだけでなく、食品不正はアレルギーや有毒物質混入による健康被害も招き得る。2008年には中国でメラミン混入粉ミルク事件が起き、乳児が死亡した。現在も昆虫食品のDNA識別など対策は進むが、別種が混入すれば、甲殻類アレルギーを誘発する恐れがある。香辛料への工業用染料添加や、シナモンへの鉛化合物混入も問題となっており、2023年には米国で鉛中毒が発生した。検出技術よりも、監視体制の不足が課題と指摘される。
QRコードやブロックチェーンなどの追跡技術も万能ではない。利用されなければ意味がなく、導入コストも高い。多数の原料を使う食品では、追跡や検査が現実的でない場合も多い。近年は熱画像やレーザー分析、DNA解析、携帯型検査機器、機械学習などが活用されているが、迅速性と精度、費用の両立は難しい。結局のところ、最も有効なのは単純な対策で、地元の生産者から購入する、安すぎる製品は警戒することなどが、消費者自身を守る基本的な手段となる。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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