■ 今年の英国は、なぜこれほど雨が多いのか。そして気候変動は、状況をどう悪化させているのか。「ガーティアン」紙(電子版)が見解を伝えている。英国では年明け以降、国内のどこかで毎日雨が観測される「陰鬱で容赦ない」スタートとなった。これまで100件を超える洪水警報が発令され、大雨の予想が続いている。専門家によれば、この終わりのない雨をもたらしている大気の力学は、スペインやポルトガルで壊滅的な洪水を引き起こしているものと同じだという。

英気象庁によると、北アイルランドではこの149年で最も雨の多い1月となり、イングランド南部でも観測史上6番目の多雨となった。イングランド南西部の降水量は平年比56%増で、南東部と中南部では88%増を記録。デボンやコーンウォールなどでは、今年に入ってから毎日雨が降っている。レディング大学のジェス・ノイマン博士は、数ヵ月前まで干ばつや散水制限に見舞われていたことを考えると、ここまで状況が急変することはあまり例がないと指摘する。
雨が継続する背景には、大西洋から次々と到来する低気圧群がある。1月には複数の嵐が襲来し、土壌が蓄えられる水分は各地で飽和状態となった。ジェット気流が南に偏り、低気圧を英国へ導いたことに加え、北米上空の寒気が気温差を広げ、気流を活発化させた。さらに、北欧上空の高気圧が前線の通過を妨げ、雨雲が停滞した。同じ気流の変化はイベリア半島にも影響し、死者を伴う洪水を引き起こした。英国についても懸念は深く、降雨量がそこまで多くない場合でも、地面が水を吸えない状態では洪水が起きやすい。
科学者は、地球温暖化がジェット気流を不安定化させ、極端な天候を同じ場所に長く停滞させていると分析。温暖な空気は多くの水蒸気を含むため、降雨は増え、英国では湿潤な冬となる一方、夏は乾燥する傾向が強まる見通しだ。今回の雨により貯水池や地下水が回復し、英国は久々に干ばつ状態から脱したという側面もあるが、極端な気象状況に備える必要性が高まっていることに変わりはない。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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