■ロンドンを流れるテムズ河。巻き上がった泥などにより常に濁っているように見えるが、長年の汚染から大きく回復しているという。ただ、その一方で、気候変動の影響という新たな課題に直面していることが、最新の環境評価で明らかになった。「スタンダード」紙(電子版)ほかが伝えた。

専門家らの調査で、テムズ河は魚類や海洋哺乳類など約125種が再び確認されるまでに生態系は改善したことがわかった。しかし、水温上昇や海面上昇、栄養塩汚染といった問題が今後の大きな脅威になると警告されている。1950年代、テムズ河は工業排水による深刻な汚染で「生物学的に死んだ川」という宣告を受けた。その後、水質基準の強化や下水処理の改善など政策的な取り組みが進み、環境は大きく回復。現在ではアザラシやネズミイルカなども確認され、テムズ河は再び生命を育む場となっている。
ロンドン動物学会が公表した「テムズ河の現状」報告書は、21の指標を用いて水質や生態系を分析した。その結果、溶存酸素量やリンなどの栄養塩は長期的に改善傾向にある一方、硝酸塩の濃度は依然として悪化しているという。また、有害金属である銅や亜鉛の濃度は1990年と比べ大幅に低下し、生態系への悪影響が出ない水準まで下がった。塩分濃度は現在は安定しているものの、将来の海面上昇によってバランスが崩れ、生物分布に影響が出る可能性も指摘されている。専門家は、河の健全性を長期的に守るためには、継続的な監視と気候変動への適応策が不可欠だと強調している。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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