■ある平日の昼下がり、生活用品がはみ出るほど詰め込まれたスポーツバッグを肩に下げた若者が玄関先に現れた。「ノッティンガム・ノッカー」(ドアをノックする者=訪問者)と呼ばれる彼らは詐欺師なのか、それとも更生を目指し立ち直ろうと努力中の若者なのか。

その日はデリバリーの予定があったために相手を確認せずにドアを開けると、全身黒のスウェット姿の若者が笑顔で話し始めた。「少しだけ話を聞いてください。自分は更生中の前科者で、生活を立て直すために生活用品を売って資金集めをしています」と口を開いた。こちらに口を挟む余地を与えない勢いだ。
10年ほど前にも似た経験があった。当時、同じような話で生活用品を売りつけようとする若者に、キャラクター絆創膏の値段を聞くと5ポンド。ずいぶん『ぼったくり』な値段だなと感じて断ると、その若者は態度を急変させ、ぶつくさ言いながらて去っていった。今回はすぐ断るつもりだったが、勢いに圧倒され「現金がない」と、つい言い訳のように断ると、「カードも使えますよ」と返される。それでも購入を拒むと、若者は不機嫌そうに立ち去った。後味の悪い思いをしつつ、この訪問販売について調べてみた。
BBCによると、「ノッティンガム・ノッカー」は国内どこにでも現れる長年の詐欺的手口で、10年以上前には消費者保護機関と警察が注意喚起の全国キャンペーン「オペレーション・リピート」を立ち上げている。若い男性たちが集団で地域を回り、強引に低品質の商品を高値で売るのが特徴で、偽の身分証を示し、更生中だと語って同情を誘う例も多いという。名称は、かつて彼らがノッティンガム出身で、同地クリフトンの倉庫から商品を仕入れていると信じられていたことに由来する。
その日の夜、近所の女性がワッツアップグループにメッセージを送信した。「今日デリバリーだと思ってドアを開けたら2人組の訪問販売の若者がいたの。他にも彼らが来た人がいる? 仕事中で忙しかったからやり取りを早く終わらせたくて、適当なものを買って去ってもらおうとしたんだけど、結果的にティータオルに20ポンドもを払ってしまったわ! 後で調べたら詐欺の可能性が高いうえに、空き巣の下見をしてるケースもあるってネットにあって、不安になったわ」とメッセージを送信した。対策としては、ドアを開ける前に相手の姿を確認し、予告のない訪問には応対しないこと。それが最も確実な防衛策だ。(編集部H) By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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